試合レポート

八幡浜vs小松

2016.11.24

八幡浜・田中 大成、1安打無四球完封で「四国注目1年生右腕」に躍り出る!

八幡浜vs小松 | 高校野球ドットコム

小松を無四球1安打完封した八幡浜・田中 大成(1年)

 2007年にスタートした「愛媛県野球フェスティバル」。毎年11月23日を中心とした11月末に愛媛県野球連盟(社会人)・四国地区大学野球連盟(大学生)・愛媛県高等学校野球連盟(高校生)・愛媛県中学校体育連盟(中学生)・愛媛県軟式野球連盟(小学生)が参加している「愛媛県野球協議会(2007年7月創設)」が主催。ここまで様々アプローチ・進化を重ねながら、世代間の垣根を超えた野球振興を続けている。

 記念すべき第10回となった今回も愛媛大学・松山大学・松山フェニックスの選手たちによる少年野球教室や、愛媛県学童中予地区選抜vs愛媛県学童南予選抜・愛媛県中学生中予地区選抜vs愛媛県中学生南予地区選抜の交流戦。高校年代関連では「1年生大会優勝校交流戦」や、2014年より導入された「愛媛県大学・高等学校野球交流戦」が開催された。

 
 うち東予・中予・南予の3地区別に10月から11月にかけて開催される「1年生大会」の優勝校が組み合わせを変えながら対戦する「1年生大会優勝校交流戦」では、今年は東予地区で全4試合二けた得点コールド勝ちで初優勝を飾った小松と、宇和島東帝京第五が秋季四国大会出場のため辞退し4チームでの戦いとなった南予地区で12年ぶり2度目の優勝を果たした八幡浜との1年生チーム同士が対戦。ここまでの勝ち上がりを見れば「小松優勢」が当初の見方であった。

 しかし、八幡浜は右腕の素晴らしい投球でそんな下馬評を完全に覆した。秋季大会でも「1」を背負いながら南予地区代表決定戦・三瓶戦で崩れ県大会を逃した田中 大成(1年・181センチ68キロ・右投右打・八幡浜市立八代中出身)がその人である。

 出したランナーは初回に失策、5回裏に7番・篠原 崚真(1年・三塁手・右投右打・今治中央ボーイズ出身)の絶妙三塁前バント安打の2人のみの94球無四球・5奪三振での1安打完封。すでに最速138キロに到達しているストレートは「力の入れ具合を変えて」130キロ前半・120キロ後半で投げ分け。また、打者の打つ気を逸らすスライダー・チェンジアップ・カーブのコンビネーションも絶妙。

 打線の援護は4回表二死二塁から5番・松本 晃成(1年・中堅手・180センチ73キロ・右投右打・宇和ボーイズ出身)の左前適時打による1点にとどまったが、この試合における田中にとってはこれで十分だった。

 「まだ下半身は弱いが、いい時は帝京第五(秋季四国大会準優勝)も抑えることができる。ストレート主体で抑えられるように育てたい」と語る宮本 昇二監督の下、「髙橋 純平(県岐阜商~福岡ソフトバンクホークス)さんのようにストレートのキレで抑えられる投手を目指したい」と田中。南予地区を飛び出しての初公式戦で四国を代表する1年生右腕に躍り出た八幡浜のエースは、春以降の県大会上位進出と、自らの評価をさらに高めるための冬練習に入っていく。

(取材・文=寺下友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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