試合レポート

都立六郷工科vs都立青井

2014.07.07

六郷工科の小里が8回参考ながらノーヒットノーラン!打線が繋がりコールド勝ち!

 都立六郷工科vs都立青井の一戦。試合は都立青井の先発・西川 利伸(3年)都立六郷工科の先発・小里 正大(3年)の投手戦となった。西川は球速こそ速くないが、落ちる球を決め球に高低を使い分けながら、抑える投球。

 対する小里は内野手出身の投手。本格派というよりも技巧派の投手。テークバックは小さく、耳の近くまでしか引かない。そこから一気に腕を振り出し、出所の見難さで勝負する投手だ。

 5回まで0対0の接戦となり、試合が動いたのは6回裏。一死から1番満永 雅彦(2年)が右前安打を放ち、2番伊嶋 拓己(3年)がバスターエンドランを敢行。この作戦が嵌り、伊嶋が右前安打を記録。一塁ランナーの満永は三塁へ陥れる。

 一死一、三塁のチャンスに打者は3番益子 陸哉(2年)。一塁走者の伊嶋が二盗を決め、一死二、三塁のチャンスに。増子は二ゴロ。内野手、本塁へ投げられず、満永が生還し、都立六郷工科が1点を先制する。内野ゴロでの1点だが、投手戦の均衡を破ったことに意味がある。

 7回裏、一気に試合が動く。
先頭の5番村上 智春(3年)が三遊間を抜ける左前安打、6番菅原 侑弥(3年)が三塁線ギリギリへ転がす絶妙な犠打。三塁手は一塁を諦め、二塁へ投げるが、間に合わず、またここで送球が逸れるミスがあり、無死二、三塁のチャンスに。7番ライト舟倉 佑紀(3年)の四球で無死満塁と大きくチャンスを作った。

 続く2人は連続三振で、二死満塁なるも1番満永が押し出し四球を選び、都立六郷工科は貴重な2点目あげる。これで気が楽になったのか、続く2番伊嶋が右中間を破る三塁打を放ち、走者一掃の一打となり、5対0に。さらに3番レフト益子の中前適時打で6対0とする。


 都立六郷工科の小里は依然として快調な投球を続け、7回までノーヒット。持ち味である打たせて取る投球に、バックの守備が応え、安打を許さない。そして8回表、この回先頭の舩田 将光(3年)に四球を出したものの、5番西川を捕邪飛。舩田は盗塁を決め、一死二塁のチャンスを作ったが、6番江川 和樹(2年)を右飛に打ち取り、さらに二塁走者の舩田を牽制で刺し、無失点。未だに無安打無得点の投球を続けていた。

 8回裏、一死から5番村上が中越えの三塁打を放ち、一死三塁とサヨナラのチャンスを作る。当然、都立青井は前進守備を敷く。6番菅原のピッチャーゴロ。三塁走者の村上はハーフウェイで、本塁へスタートを切らない。それを見て投手は一塁に投げた直後に村上がスタート。本塁に陥れ、サヨナラコールド勝ちを決めた。小里は8回参考記録ながら、ノーヒットノーランを達成!

 9回まで投げて、達成出来れば、正真正銘のノーヒットノーランだが、一発勝負のトーナメントは大記録よりもすぐに迫っている勝利を優先したほうが、大事である。不確定要素が多い野球であり、何が起こるか分からない。欲を出さずにサヨナラ勝利を狙った村上の走塁は見事だった。

 6回まで接戦となったこの試合。都立六郷工科はバスターなり、相手を欺く走塁など、大事な場面での仕掛けが上手く嵌り、各打者が動揺を見せていた都立青井バッテリーの隙を見逃さず、連打で点を重ねた。

 投打ともに満点とも呼べる試合内容を残した都立六郷工科は、13日(日)に[stadium]神宮第二球場[/stadium]にて、巣鴨と対戦する。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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