試合レポート

修徳vs錦城学園

2013.07.21

勢いに乗る修徳、攻守にバランスよくベスト8の壁突破

 ここまで進撃をしてきた錦城学園
学校としては130年以上の歴史を有するのだが、野球部としてベスト8に進出したのは実はこの夏が初めてだった。東京都千代田区の中心街でさまざまな会社がひしめき合っている神田錦町に学校があるのだが、都会の学校でもあり当然のこととして、グラウンドは校舎に隣接していない。それでも、高島平の荒川河川敷に確保されており、部員たちは毎日授業を終えると、そこまで通って練習に励んできた。

 

ここ数年の中で、部活動を強化していく一貫の中で、野球部にも徐々に強化体制が整ってきているというところである。そんな錦城学園が、春季東京都大会を制して今大会も優勝候補筆頭となっていた帝京を下して勢いに乗っている修徳と、どんな試合をするのか注目された。

 しかし、修徳が初回に2死二三塁から5番小林君の左越二塁打で2点先取する。さらに2回にも、2死から9番西林君が右前打で出ると、小澤君が右越二塁打して加点。3回には捕逸で、4回にも1死二三塁から内野ゴロの間に1点を加えて、修徳がソツのない攻撃で得点を重ねて行った。


 結局、7回にも修徳は失策の走者を4番山下君の左前打でつないで好機を広げると、小林君が中越打して、2者を返してコールドゲームが成立した。錦城学園の左腕岩瀬君は、やはり少し意識したのか、立ち上がりからいくらか力味が出てしまったのも失点につながってしまった。

めぐってきた上位進出の好機だけに、もっと上へ行きたいという錦城学園だった。玉木信雄監督も、「やっぱり、悔しいですね」と、残念さは隠しきれない様子だった。それでも、「今年のチームは、ここ何年かでも一番力がないんじゃないかなという感じのチームだったんですよ。だけど、キャプテンの小島を中心によくまとまってくれて、力以上のモノを出してくれたとは思います。それだけに、もう一つ二つ、勝ちたかったですね」と、選手たちのここまでの努力は評価していた。

ほぼ、万全に近い形の試合が出来た修徳は、阿保暢彦監督も、「帝京戦を終えて、その次が大事なんだということは言っていたのですけれども、選手たちも決して浮わっついたところがありませんでした。私が、今年で(監督に就任して)3年目になるのですが、まだベスト8の壁を越えたことがないんです。けれども、選手たちもそれを知っていて、壁を越えましょうと言ってくれて、一つになって戦えています」と、気持ちがまとまって今大会に臨めていることを強調していた。

(文:手束仁)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【北海道】北海が逆転勝利、27連勝で4季連続V達成<春季全道大会>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商