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【春季愛知県大会展望】豊川、愛工大名電のセンバツ出場校と享栄、東邦、豊橋中央などの争いか

2024.04.12


山田 頼旺(中京大中京)・大泉 塁翔(愛工大名電)・・岡田 耀太(三好)・モイセエフ ニキータ(豊川)

春季愛知県大会の組み合わせが決まった。今春のセンバツ出場校の豊川(東三河地区1位校扱い)と愛工大名電(名古屋地区1位校扱い)を軸にして、名古屋地区2次トーナメントで1位となった享栄や、今季はレベルの高い東三河地区の1位・豊橋中央などを中心としての戦いになっていくであろうと思われる。

 

モイセエフはどこまで打つか!? Aゾーン

Aゾーンではシードとなっている豊川が、初戦で岡崎工科西尾の勝者という西三河の公立の雄と当たる。豊川は甲子園でもホームランを放ったモイセエフ ニキータ外野手(3年)の打撃が見ものだ。夏へ向けては、投手陣がどこまで整備されているかというところになり、この大会でどれだけ抑えられるのかというところが見どころにもなる。その豊川を3回戦では安城が待ち構えそう。栄徳の存在も気になる。

ベスト8をかけた戦いでは、至学館大府の勝者と当たる可能性が高い。大府では長野 晴太投手(3年)が注目されている。至学館は創部当初から指揮を執っていた麻王義之監督が昨年夏を最後に勇退し、秋からは鈴木健介新監督が指揮を執っている。機動力を生かした野球は相変わらずで、新基準バットにもうまく機能していきそうで、面白い存在となりそうだ。

西三河王者・三好の旋風に期待 Bゾーン

享栄と西三河地区予選1位の三好がいるBゾーンでは、享栄と3回戦で当たりそうな誉が注目となる。強打の田所 璃乙外野手(3年)と、俊足好打の田中 駿希也内野手(3年)ら、能力の高い選手も多い。これを享栄の長身2年生左腕・小山 隼和投手や右サイドスローの水ノ江 修人投手(3年)ら、豊富な投手陣がどう対応していくのかも見どころだ。また、享栄ではセンスのいい仲谷 成真内野手(2年)も注目度が高い。これに、昨秋は目まぐるしい投手交代で中京大中京の強打線をかわした愛知産大工から校名変更した名古屋たちばなが、どう絡んでくるのかというのも楽しみだ。

その勝者と準々決勝で当たる可能性の高い三好は、西三河1位校としての自信を胸に挑む。岡田 耀太投手(3年)、2年生左腕・長屋 亮汰投手ら投手陣を含め、選手たちは早い段階から公式戦でも起用され、経験値が高い。刈谷時代には愛知大会準優勝の実績もある岡田泰次監督は、このチームで一波乱起こせると感じているくらいに、チーム力は高い。この三好に食い下がるのが東三河4強となった渥美農、西三河の西尾東、近年知多で安定している半田あたりか。

名電vs.東邦実現か!? Cゾーン

愛工大名電が入るCゾーンは、最激戦区となった。愛工大名電の初戦は西春星城の勝者ということになるが、星城は昨年までのチームに比べると、やや粒が小さいのは否めないが粘りはある。3回戦では東邦が上がってきそうだが、東邦の注目の高柳 大治捕手(3年)と愛工大名電の左腕・大泉 塁翔投手(3年)、もしくは甲子園で好投した伊東 尚輝投手(3年)との勝負は注目だ。高柳は、状況によっては投手としてマウンドに立つこともある。

ベスト8の戦いでは東三河地区予選1位の豊橋中央、西三河2位の愛知産大三河の勝者との戦いになりそうだ。ただ、その前に豊橋中央には豊橋商愛知産大三河には昨夏のベスト4の中部大春日丘と愛知の勝者が挑む。豊橋商北添 兼矢投手(3年)と伊東 徹之芯投手(3年)という2人の投打の軸がいて力はある。東三河の1位決定戦でも豊橋中央とは1対0の僅差だった。昨秋の全三河大会では優勝しており、田村知憲監督も十分に手ごたえを感じている。中部大春日丘愛知は、ともに名古屋地区の2次トーナメントからの勝ち上がりで県大会出場を果たしたが、それだけにしぶとさはある。

中京大中京、日本福祉大付、誠信が並ぶDゾーン

知多1位の日本福祉大付と、尾張地区1位の誠信のDゾーンは、日本福祉大付名城大附豊田北の勝者が初戦。次は大成杜若中部大一といった中堅私学が待ち構えることになる。中部大一は名古屋地区3位校として挑む。誠信は初戦が大同大大同大府東の勝者ということになるが、次には中京大中京と当たる可能性が高い。中京大中京は、昨秋は愛知産大工(現・名古屋たちばな)に敗れたものの力はある。中井 遥次郎投手(3年)と宮内 渉吾投手(2年)の左右の本格派を軸とした投手陣と、注目の主砲・山田 頼旺外野手(3年)や神谷 倖士朗内野手(3年)らの打線も力強い。

今年の愛知県勢は図抜けた存在がいるというワケではない。それだけに、どこにでも上位進出の可能性もある。また、初めて尾張地区予選を勝ち上がって県大会の舞台に挑む修文学院も、どのような戦いをしていくのか興味深いところである。序盤から、目が離せない展開になっていきそうだ。(文/手束仁)

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この記事の執筆者: 手束 仁

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