試合レポート

【春季東京都大会】錦城学園が食い下がる都立小平南を中盤に突き放して逃げ切る

2024.04.03


吉見幹太(錦城学園)

<春季東京都高校野球大会:錦城学園5-2都立小平南>◇2日◇1回戦◇駒澤

錦城学園は昨秋の1次ブロック予選では、初戦で明大中野八王子(現明大八王子)と当たってしまい1対2で敗れている。そのため、今春はブロック予選からの出場となったが、1回戦は大崎に大勝したが、代表決定戦では都立狛江と競り合いとなり、タイブレークの末に何とか振り切っての出場である。

昨年秋、都立小平南聖徳学園中大附を下して都大会に進出し、本大会でも初戦では麻布を下したが、2回戦で早大学院に敗れた。チームを率いる増子良太監督は2003年夏に都立雪谷で甲子園出場を果たしているが、そのチームで主将を務めていた。

錦城学園の玉木信雄監督は、父親が元プロ野球選手で、現在はDeNAのスカウトを務めている吉見祐治氏という、背番号6の吉見 幹太内野手(3年)投手を先発マウンドに起用した。

その吉見投手の立ち上がりを攻めた都立小平南は、1死で2番・工藤 優剛内野手(3年)がチーム初安打を放つと、すかさず二盗。さらに、暴投で大きく後逸する間に一挙にホームを狙ったが、ここは錦城学園バッテリーも冷静で本塁タッチアウトとなった。

その裏、錦城学園は四球とバントで走者を進めると、2つの失策で幸運な先制点を挙げる。3回にも、1番からの好打順で中嶋 元太外野手(2年)が左越え二塁打を放つと、バントで進み、一塁ゴロ野選で生還。錦城学園としては幸運な形の2点リードとなった。逆に、都立小平南としては、いくらか悔やまれる失点が続いた形となった。それでも、内山が難しい右邪飛を好捕するなどのプレーもあって、しっかりと守っていた。

そして都立小平南は5回、7番・森の三塁打から相手の飛球落球もあって、1点を返して食い下がった。これで、展開次第では試合の行方は分からないぞという状況になってきた。

ところが、その裏の錦城学園は、またしても1番からの好打順で、1死後、横田 香樹内野手(3年)と田島 凛々人外野手(2年)が連打で一、二塁とすると、打っても4番の吉見投手が右越えへ三塁打を放って2人を返した。さらに、続く大山 大河(2年)も中前打で三塁走者をかえして、この回3点。都立小平南の増子監督は、さらに続くピンチで伊藤 新太投手を諦めて、背番号1の左腕、横倉投手を投入。これが成功して、三ゴロの併殺で切り抜けた。横倉投手は、その後の6、7、8回も無失点に抑えていった。

都立小平南は、7回に無死満塁の好機を作ったものの、錦城学園の2人目、神谷投手を攻略できず、8回に内山の三塁打と、清川 太一内野手(3年)の犠飛で1点を返したものの、そこまでだった。錦城学園としては5回、追い上げられかかったところでその裏に、長打を含めて4安打を集中させて突き放したのが効いた。

結局、善戦したものの、都立小平南としては、あと1本が出なかった。最も悔やまれるのは、7回の無死満塁の場面だろうか。試合後は、1番打者の百地 陽人外野手(3年)はグラウンドに膝をついて悔しさを表していた。この悔しさ、無念さを夏に生かしてもらいたいところである。

この記事の執筆者: 手束 仁

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