試合レポート

【春季東京都大会】都立武蔵丘エース・小川が要所を締め、攻撃陣も細かく加点、日本ウェルネスを破る

2024.04.02


<春季東京都高校野球大会:都立武蔵丘6-2日本ウェルネス東京>◇1日◇1回戦◇府中市民

1次予選で、夏の大会で敗れている実践学園をタイブレークで破り勢いに乗る日本ウェルネス東京と、近年力をつけている都立武蔵丘が対戦した。

都立武蔵丘のエース、左腕の小川 瑠悟投手(3年)は、前の代から投げているだけに、落ち着いた投球をする。横手投げに近いフォームから、キレのいい球を投げる。「この冬、走りこみました」と言う小川は、秋より球威が増している。

日本ウエルネスの先発、背番号11の外崎 健次郎投手も左腕。

2回、都立武蔵丘は2死一、三塁から一塁走者の座安 慶斗が二盗し、二塁に送球される間に三塁走者の山田 賢一が本塁を陥れて1点を先制した。

3回、都立武蔵丘は、1死二、三塁から4番・大城 卓馬捕手(3年)がスクイズを決め、2点目を挙げる。4回は1死一塁から8番・座安の三塁打、9番・堀越 健人の二塁打で2点を追加する。

7回は二塁打の清水 泰史内野手(3年)が犠打で三塁に進み、3番・小川のスクイズで1点を追加。8回は三塁打の山田が捕逸で生還した。

都立武蔵丘の得点は、3番、4番がスクイズで得点したかと思うと、8番・座安の三塁打、9番・堀越の二塁打で追加点を挙げた。「選手が自分たちで考えてやっています」と鈴木秀志監督は言う。形にとらわれないのは、選手たちの自主性の表れでもある。

一方、都立武蔵丘のエース・小川は、中盤以降はピンチの連続だった。4回は先頭打者が内野手の失策で出塁し、盗塁で二塁に進んだが、後続を抑えた。5回はこの回先頭の日本ウェルネス東京の7番・植松 宗誠が三塁打を放ったが、小川は後続の2人を連続三振に仕留め、得点を許さない。

6回は、日本ウェルネス東京の2番・内田 翔貴内野手(3年)、3番・瀧口 煌の連続安打に、4番・濱田 竜志内野手(2年)の一ゴロで1死二、三塁となったが、5番・細谷 樹捕手(3年)の遊ゴロの間に生還した1点止まり。8回も2番・内田の四球に3番・瀧口の内野安打に捕逸があって1死二、三塁となり、4番・濱田の遊ゴロの間に内田が生還したが、その1点止まりだった。

都立武蔵丘の小川は、ピンチの連続だったが、「気にすることなく、平常心でできました」と、どこか飄々として、気持ちの強さのようなものは伝わってこないが、「負けず嫌いです」と鈴木監督は言う。

結局、6対2で都立武蔵丘が勝ち、2回戦に進出した。日本ウェルネス東京としては、中盤のチャンスでもう一押しできなかったことが響いた。

逆に言えば、都立武蔵丘の守備陣がよく防いだともいえる。昨年の秋から一段階チーム力が上がっている。「一番変わったのは心です。修徳に負けて、自分に厳しく、志を持ってやっています」と鈴木監督は言う。秋は1次予選で東亜学園を破ったものの、本大会では2回戦で修徳にコールド負けを喫した。一口に都立校と言っても、実力にはかなり開きがある。都立武蔵丘は、都立校の中では上位の力を付けつつある。しかし都立の強豪と呼ぶには実績が乏しい。その意味では、次の岩倉戦は大事な試合になる。エースの小川は「自信はあります」とはっきり答えた。その気持ちの強さに期待したい。

この記事の執筆者: 大島 裕史

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