試合レポート

【春季沖縄大会】宜野座が秋春連続4強入り、最少得点ながら相手にダメージを与えて快勝

2024.03.31


<第71回沖縄県高校野球春季大会:宜野座3-0嘉手納>◇30日◇準々決勝◇宜野湾

大会初登板の比嘉 翔吾は、多くの好投手陣を擁する宜野座にあって、背番号こそ7だが、大黒柱として秋はエースナンバーを背負っていた。「彼の良いところが出た。ずっと前からこの日が登板だぞと伝えてきて、きっちり調整してくれた」と宮城 岳幸監督。ヒット6本を許す中、それぞれのイニングの中で、2本目は阻止し続ける粘り強いピッチングで最後まで投げきり完封。チームを春の大会10年ぶりのベスト4へと導いた。

宜野座は3回、1死からエラーで出塁した後、9番・山城 連が三塁へのバント安打を試みる。これが一塁への悪送球となり二走が生還し先制した。

さらに5回、8番・大城 祐乃が左翼への二塁打で出塁。雄叫びでベンチを鼓舞すると、2死三塁の場面から2番・東成が絶妙なバント。もちろん2死なので一塁でアウトにすれば良いのだが、転がすタイミングと走り出す瞬間、そしてトップスピードの全てが完璧で一塁セーフ。東成だけでなく、この冬、ナインがやってきたスモールベースボールは通用すると、改めて感じられる1点でもあった。

6回にも押し出し四球で加点した。

投げては左腕・比嘉 翔吾が粘投。低めに落ちる変化球を駆使して嘉手納打線に的を絞らせず、終盤のピンチも冷静に対処するなど要所を締めて見事完封。10年ぶりのベスト4進出へとチームを導いた。

「欲を言えば打撃に関してもまだまだできる子たち。これから帰ってすぐ練習です」と宮城監督も、勝って兜の緒を締めることを忘れない。相手は興南に決まった。ジャイアントキリングから春の頂点へ。そして夏には、2001年以来となる甲子園への切符まで突き進む。

次のページ:夏への可能性大の嘉手納ナイン

固定ページ: 1 2

この記事の執筆者: 當山 雅通

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.18

桐光学園16強進出! 継続試合も「学校に戻り対策を練った」法橋が投打に活躍、スクイズ失敗直後にタイムリー「なんとしてもカバーしたかった」【神奈川大会】

2024.07.18

花咲徳栄、エースが「ほぼストレートだけ」で1イニング三者連続三振!148キロ右腕・上原堆我が夏に見せた進化【埼玉大会】

2024.07.17

長野8強決定!松商学園、長野日大、東海大諏訪、佐久長聖などが勝ち上がる【2024夏の甲子園】

2024.07.18

向上が3年ぶりのベスト8!2回裏に同点本塁打で勢いづき、藤沢翔陵を圧倒

2024.07.17

【全国注目シード校・成績速報】神奈川では2校が4回戦で姿を消す、大阪、島根ではシードに明暗、昨夏初戦敗退の智辯和歌山はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」