試合レポート

【春季鹿児島大会】川内商工が集中攻撃で勝利、徳之島 欲しかった「攻撃の引き出し」

2024.03.28


川内商工ナイン

【トーナメント表】春季鹿児島大会 結果一覧はこちら

<第154回九州高校野球大会鹿児島県予選:川内商工6-4徳之島>◇27日◇2回戦◇平和リース

川内商工肱黒 間太(3年)、徳之島住田 悠(3年)、両エースの好投などで5回表まで両者無得点が続いた。

試合が動いたのは5回裏、川内商工は1死二塁から7番・軍神 慶太朗(3年)の中越え三塁打で先制する。9番・西尾 陸翔(3年)の右前適時打、満塁からの2番・肱黒の中前2点適時打、4番・福上 舷汰(3年)の中前適時打など打線がつながり、打者10人で5安打を集中し、6得点のビッグイニングを作った。

6回以降も毎回得点圏に走者を進めるも、徳之島は5回途中からリリーフしたエース嶺本 倫太郎(3年)を中心に無失策の守りで追加点を許さなかった。

9回、2死から徳之島は連続エラーで一、二塁とし、1番・勝 亮翔主将(3年)から5連続四球を選んで2点差に詰め寄ったが、反撃もここまでだった。

徳之島は最終回の反撃もあと1歩及ばず。悔しさで、しばらく言葉がでなかった地頭所眞人監督は「もっと引き出しを増やしていかないと」と言葉少なに敗戦を振り返った。

自慢の強力打線が散発3安打に封じられた。相手のエース肱黒は右打者の外角へのスライダーに切れがあり、これを中心とした出し入れを見極めきれなかった。「焦っていて、打つべき球を打てなかった」(勝主将)。

投手陣と守備で粘ってコールドは阻止したが、9回の攻撃も併殺で2死。万事休すと思われたが、野球は最後まで何が起こるか分からない。ここから相手の連続エラーで一、二塁。攻略に難儀した相手エースの動揺を見抜き、「長打よりも後ろにつなぐ」ことを意識した1番・勝主将から5者連続で四球を選び、4つの押し出しで瞬く間に2点差に迫り、一打同点、逆転の好機を作った。

あと一押しパワーが足りなかったが、球をしっかり見極めて打つべき球を打つ。そうでない球は打たない。それができれば、仮に打てなくても出塁、つなぎ、得点できることがある。これも立派な「引き出し」といえるだろう。勝主将は「次の夏が自分たちにはラストチャンス。難しい試合も勝ち切れるチーム力をつけて夏に挑みたい」と夏にかける思いを語っていた。

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この記事の執筆者: 政 純一郎

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