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スーパー進学校・桐朋に現れた逸材・森井翔太郎! 千賀クラスのフォークを投げ、通算20本塁打以上の強打者は高卒プロ入りを目指す!

2024.01.01


森井翔太郎(桐朋)

24年度のドラフト候補に異色の選手がいる。それが桐朋森井 翔太郎内野手(2年)だ。桐朋は東大進学者も多く、都内でもトップクラスの進学校として知られる男子校だが、森井は183センチ82キロの体格から高校通算本塁打20本以上を放っている。投げても145キロ、落差抜群のフォークを操る。スカウトから注目されており、高卒プロを目指している。

「進学校も、強豪校も関係ない」

「森井はいいぞ」という球界関係者の声を聞いて、昨年3月、東京都一次予選を取材するために桐朋のグラウンドに足を運んだ。
すぐに森井の姿はわかった。
サードを守っていた森井は軽快なステップで、強烈なスローイングを見せていた。打っても都立光丘戦でライトのフェンスを越える本塁打を放った。さらに投げては最速143キロをマークし、1回無失点の好リリーフを見せた。投・打・守のすべてで高いパフォーマンス。すぐに森井に話を聞いた。その時、印象に残ったのは強烈な高卒プロ志望だった。
「プロに進むのに、自分は進学校も、強豪校も関係ないと思っています。あくまで自分がどれだけアピールできるかが大事だと思っています」

その野球人生を振り返る。森井は府中市出身で、桐朋小に通い、1年生から野球を始めた。
「僕の近所に1歳上に野球をやっている友達がいて、その友達の影響で野球を始めました」
最初は軟式だったが、武蔵府中リトルに所属し、硬式野球をプレー。投手としては2番手だった。
小学校6年の時に母親からライオンズjrの話を聞き、セレクションに応募する。
「武蔵府中もレベルが高いチームでしたが、僕ももっとレベルが高いチームでやりたかったので、応募しました。実際に選ばれて嬉しかったですね」
ジュニアトーナメントに出場して、日本ハムの前本拠地だった札幌ドームでプレーした。
「当時は控えだったんですけど、やはり球場は大きかったなと思っています」

桐朋中では軟式野球部に所属。強打者として活躍していたが、インパクトが強すぎて打った時に軟球が潰れてしまうことがあった。
「個人的には軟式の対応には苦労していたからだと思います。ずっと硬式で打っていて、硬式の打ち方が染み付いていたんです。だから潰れてしまったのかなと」
だから軟式では通算3本塁打。投手として制球力が悪く、あまり投げていない。強豪校からの誘いがなく、森井はそのまま桐朋高に進む。

森井のフォークを計測すると…千賀級だった!

すぐに硬式に馴染んだ森井は1年夏からベンチ入りし、主力選手として出場。打者としては才能を発揮するが、投手としてはコントロールが課題で打たれることも多い。桐朋の田中監督は「速いですが、野手の投げ方なんですよね。だから将来性は野手のほうが高いです」と見ている。

2年春の都大会が終わった段階での森井の課題は調整方法だった。
「内容が良くなかったのは、自分の調整不足にあると思いました。だから試合前の調整でやってきたことをノートに書く。この日はこういうことをやる。それを試しながら、自分にとって良いやり方がわかってきたので、内容も良くなっています。やはり投げている球は自信があるんですけど、制球力、調整力については経験していきながら、改善して、投げる球の質を高めていきたいですね」

また、2年春の大会が終わってからフォークを習得した。
「これまでカーブ、スライダーしかなかったので、きついと思って、ツーシームを習得しようと思って投げたら、あまりよくなかった。ツーシームをしっかりと投げられているチームメイトに聞いた時、挟んで投げていると言われてやってみようと思ったら思いの外、良かったんです。縫い目の掛け方などを調整したら、凄い落ちたんですよね」

実際、森井のフォークは高い評価を受けている。大会前にラプソードで回転数などを測定。担当者も驚きの結果が出た。
フォークは縦に10〜15センチの変化しており、かなり落差がある。この要因は回転数にある。1000を切れば凄い数字だ。実際プロでも1200〜1250程度で、おばけフォークで名を馳せたメッツ・千賀 滉大投手は900ほど結果が出る。森井は300~500しかないので、ボールを抜くということにおいては相当な技術があるのだ。強いて問題を言えば、球速アップくらいしかない、という。

目標は、「160キロ、高校通算40本塁打」

また森井のもう1つの武器である打撃について、体全体を使った強烈なスイングをしても、的確に捉えることができていた。打撃のポイントについても聞いた。
「自分の場合は、始動から打つまで目線をずらさないことです。投手が投げている時に、構えたところから目線の高さがずれてしまったら、変化球に対応できないので。良い投手と対戦した時、自分がどういう反応ができるか感じてみたいです。良い投手と当たっても捉えられる。本塁打を打てる打者になりたいですね」

森井は夏、秋と強豪相手に食らいついた。
夏では4回戦で東海大菅生と対戦し、先発した森井は6回5失点、4打数1安打。秋でも都大会初戦で東海大菅生と対戦。初戦敗退に終わったが、3打数2安打のマルチヒットを記録した。
高卒プロ目指す森井にとってアピールできる機会はあと2つ。来春の都大会、夏の大会だけだ。投手としては160キロ、打者として高校通算40本塁打以上を目指している。
「1年生のときはウエイトは殆どやらずに過ごしていました。ウエイトを取り入れたり、可動域を広めるトレーニングをしながらレベルアップをしていきたい」

超進学校から高卒プロは誕生するのか? 森井の成長に期待したい。

取材・文/河嶋宗一(編集部主筆)

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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