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【高校野球ベストシーン’23・岐阜編】プライドをかけた「岐商対決」、市立岐阜商の気迫が勝った夏準決勝

2023.12.25


2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

【選手権岐阜県大会準決勝・市立岐阜商vs.県立岐阜商】
県内の高校野球では古豪同士の対戦となった「岐商対決」。甲子園では4回の優勝を誇る県立岐阜商と、甲子園には4回出場経験のある市立岐阜商。互いに負けられない意地と意地のぶつかり合いが、好ゲームを生んだ。

0対0で迎えた7回。市立岐阜商が集中攻撃を見せる。連打と盗塁、死球で無死満塁のチャンスをつかむ。ここで打席に入ったのは2番・足立 義虎外野手(2年)。大柄な2番打者が追い込まれながらも、低めの変化球を中前へはじき返して2点を先制。この2点を、先発の森 楓真投手(3年)が粘りの投球で完封勝ちした。走者を出しながらも、気迫の投球を続け、県立岐阜商の3連覇を阻止した。

2年前の夏、岐阜大会決勝は36年ぶりの「岐商対決」となり、周囲は盛り上がった。この代のチームの直接対決は、秋に県立岐阜商、春に市立岐阜商が勝利。互角の2チームが勝負の夏の決勝で対戦し、県立岐阜商が1点差で勝利していた。この試合を当時1年生だった森がスタンドで見て、2学年上の先輩が涙していた姿を脳裏に焼き付けていた。

2年前のリベンジの意味でもあった先発マウンドを任された森は、気持ちで県立岐阜商に立ち向かい、見事に勝利してみせた。決勝では大垣日大に敗れ、甲子園出場は夢と消えたが、県立岐阜商との大一番での勝利は、必ずや将来の糧になる。

<全国高校野球選手権岐阜大会:市立岐阜商2-0県立岐阜商>◇2023年7月26日◇準決勝◇長良川

市立岐阜商スタメン
(二)宮下 隼翔(3年)
(左)足立 義虎(2年)
(中)松本 瑛人(3年)
(捕)田中 仁(3年)
(右)野村 航汰(3年)
(一)横山 夢槻(2年)
(三)加藤 永真(3年)
(投)森 楓真(3年)
(遊)太田 聖翔(2年)

県立岐阜商スタメン
(遊)小林 凜人(3年)
(二)日比野 遼司(2年)
(三)垣津 吏統(2年)
(左)園田 進之助(3年)
(一)三塚 武造(3年)
(中)加納 朋季(2年)
(右)小泉 慶(3年)
(捕)大東 要介(2年)
(投)今井 翼(3年)

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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