天理・中村良二監督が退任 甲子園5度出場の元プロ監督が取り入れた「ベンチ入りメンバー投票制」
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天理の中村良二監督が、年内をもって退任することが24日に報じられた。
自身が選手時代には、主将として1986年の夏の甲子園で優勝。ドラフト2位で近鉄に指名され、NPBの世界に進んでからはリーグ優勝も経験した。2015年から天理の監督に就任すると、母校を春夏合わせて5回、甲子園に導いた。最高成績は2017年夏、そして2021年春のベスト4。また、NPBの世界にも達 孝太投手(現日本ハム)らを送り出している。実績、選手育成ともに結果を残した監督だった。
中村監督の行ったユニークな取り組みが、「ベンチ入りメンバーの投票制」だ。甲子園や近畿大会、神宮大会といった大舞台は、指導者で決めるが、県大会は選手たちが投票に寄り登録メンバー決めていた。天理のような全国区の強豪が行っているのは非常に珍しい。その理由について、中村監督は以前、このように語っていた。
「プレーをするのは選手です。しかし彼らはまだ高校生なので、われわれの見えないところで手を抜いたりします。自分に勝てない選手がいると思っています。でもベンチ入り20人全員が手を抜いてしまったら、試合に勝てないですし、甲子園にも行けません。甲子園に出て優勝するのであれば、自分たちで考えて練習しないといけません。『ベンチに入って活躍したいなら、それ相応のことをやりなさい』とは伝えるようにしています。
投票制は“それ相応のこと”をやらせるため。仲間から投票してもらえるように、普段から各自全力で練習にも取り組みます。自覚と責任をもってもらえるように、選手たちと接しています」
中村監督の今後は未定とのことだが、名将の残したレガシーが今後の強い天理を支えていくことだろう。