試合レポート

ドラフト指名漏れから1年、あの男たちが躍動! 日本生命3大会ぶりの8強へ<社会人日本選手権>

2023.11.16


<第48回社会人野球日本選手権大会:日本生命5-3東京ガス>◇15日◇2回戦◇京セラドーム大阪
日本生命が東京ガスを下して3大会ぶりの8強入りを果たした。
日本生命は6~8番に山田 健太内野手(大阪桐蔭出身)、松本 渉外野手(龍谷大平安出身)、石伊 雄太捕手(近畿大工業高専出身)と、3人のルーキーを起用。2回には彼らの活躍で5点を奪い、試合を優位に進めた。

無死一、二塁の好機で山田に打席が回ると、初球に相手のバッテリーミスで二、三塁にチャンスが拡大。「積極的に初球からいこうということだけを考えて打席に入りました」と次の球を左前に運び、2点適時打で先制点を挙げる。さらに相手の中継が乱れる間に山田は二塁に進んだ。
続く松本が送って1死三塁とすると、石伊が1ストライクから内角の直球を捉えて左翼ポール際に大飛球を放つ。「入ったという感覚がなかった」という石伊は懸命に走ったが、打球はスタンドイン。「石伊は練習からパンチ力があったので、どこかで角度よくいけば長打も出るだろうという期待はありましたけど、あの場面で打ってくれたのは大きかったですね」(梶田茂生監督)と貴重な追加点となる2ラン本塁打となった。

さらに日本生命は2死一塁から2番・越智 達矢外野手(丹原高出身)の右越え適時三塁打で1点を追加。3回以降に追加点を奪うことはできなかったが、最後までこのリードを守り切る。8回からは巨人からドラフト5位指名を受けた又木 鉄平投手(日川高出身)が2回を無失点に抑えて試合を締めた。

新人3人の打順が並んでいることは選手たちも意識しているそうで、「6、7、8番はチャンスで回ってくることが多いので、先輩方がチャンスメークした場面で、僕らがしっかり打とうと話をしていました」と山田は明かした。
立教大出身の山田と、近大工学部出身の石伊は、昨年にプロ志望届を提出するも指名漏れ。来年のプロ入りを目指す中でともに1年目からレギュラーに定着してチームの勝利に貢献している。

「1打席1打席必死ですけど、その中で楽しみながら野球をやれているので、良いのかなと思います」と山田。社会人野球のレベルの高さにもすっかり順応しているようだ。
「バッティングは足りなかった部分だと思っていた」と指名漏れの原因を分析する石伊も本塁打で大いにアピール。それでも「その後の3打席は全然ダメだった」と反省しており、浮かれた様子はない。

「可能性を秘めた選手たちだと期待しています」と梶田監督も太鼓判を押す大物ルーキーたちの存在が日本生命の躍進を支えている。

取材・文=馬場 遼

この記事の執筆者: 馬場 遼

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.22

【九州地区ベスト8以上進出校 7・22】福岡と佐賀で決勝のカードが決定、宮崎、鹿児島では4強が出揃う【2024夏の甲子園】

2024.07.23

「松坂さんを超える投手になる」偉大な先輩を夢に見る横浜のスーパー1年生が最速147キロを計測!4回5奪三振完全投球で決勝進出に貢献!

2024.07.23

全国トップレベルの投手陣が打ち込まれる…仙台育英、被安打19、8失点で15年ぶりの決勝戦敗退

2024.07.23

変則投手にも動じない今年No.1スラッガー・石塚裕惺(花咲徳栄)、知られざるルーティンとは?【24年夏・埼玉大会】

2024.07.23

横浜がサヨナラ勝ちで決勝進出! 1年生右腕が147キロ計測で4回0封!春王者・武相との激闘制す!

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」