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高知(2年ぶり5度目) 右の2枚看板とつなぎの打線、堅守で狙う2度目の頂点<明治神宮大会出場校紹介>

2023.11.14


第54回明治神宮野球大会が15日に開幕する。四国地区からは秋季四国大会2年ぶり8度目のⅤを達成した高知(高知)が5度目の出場。永遠のライバルである明徳義塾に県大会・四国大会で連勝しての大舞台だ。決勝戦では阿南光のプロ注目146キロ右腕・吉岡 暖(2年)を攻略した粘りの打線と、最速145キロの辻井 翔大、最速148キロの平 悠真の2年生右腕2枚看板を擁し、2006年・第37回大会以来23年ぶり2度目の頂点を狙う。
随所に光ったスカウティング力
★高知県大会の戦績
2回戦 14-0 土佐塾
準決勝 11-1 中村
準決勝 2-1 明徳義塾
決勝 2-0 高知商
★四国大会の戦績
準々決勝 10-3 今治西(愛媛)
準決勝 3-2 明徳義塾(高知)
決勝 5-1 阿南光(徳島)

初戦は高松中央から5回で13得点を奪った強打・今治西に対し、5番・福岡 怜也の3ランのみに失点を封じると、準決勝の明徳義塾戦では3バントスクイズを見破り県大会準決勝に続く1点差勝ち。決勝では「素晴らしい投手」と濵口 佳久監督も認める阿南光の最速146キロ右腕・吉岡の多彩な変化球に対し、粘り強く対応し8回裏に4得点の集中打。昨年センバツでも履正社(大阪)を下した原動力となったスカウティング力が随所に証明される形となった。
大石、谷口、辻井のクリーンナップ軸につなぐ
四国大会の安打数27安打・チーム打率.297の打線で肝となるのは、3番・大石 來輝三塁手(1年)から、谷口 隼斗一塁手(2年)、辻井 翔大(2年)と続く中軸。3番の大石は3試合で12打数5安打7打点。阿南光戦では試合を決める満塁走者一掃の二塁打を放つなどパンチ力がある。秋に投手から一塁手に場所を移した4番の谷口は、先日のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズ育成2巡目指名を受けた兄・朝陽(広陵~徳島インディゴソックス)譲りの高い身体能力が魅力。四国大会では12打数3安打に終わったが2盗塁。県大会準々決勝では春野総合運動公園野球場のバックスクリーンに叩き込むグランドスラムを放っている。5番の辻井は四国大会11打数2安打2打点も卓越した野球センスがあり、決して侮れない。
この3人を挟む打線は練習試合でも様々なパターンを組んでおり、極めて流動的。四国大会では下位打線に入ったキャプテン・川村 光輝右翼手(2年)も四国大会でメンバー唯一の3試合連続安打となる8打数4安打と当たっており、明治神宮大会では上位起用もありえる。

辻井・平の経験豊富二枚看板は強力
投手陣は今年センバツでの活躍も記憶に新しい辻井 翔大と、平 悠真の右腕2年生二枚看板が健在。秋季四国大会でも全3試合で辻井先発・平リリーフで勝ち上がってきた。
この秋、最速145キロまで球速を伸ばした辻井は「自分でも大切にしている」バランスよく左脚を上げてからの伸びのあるボールが持ち味。130キロ前後のカットボール、120キロ後半のスライダーの落差も大きく試合大会では12回を投げ12奪三振・3四死球・失点2(自責点1)防御率0.75と抜群の安定感を示した。
一方の平は「150キロも目標にしているが、まずはチームの勝利が優先」と語るように最速148キロまで達したストレートを強弱をつけながら操る技術があり、スプリット系・パワーカーブなど縦に割れる変化球も特長に持つ。四国大会は今治西戦こそ立ち上がりに同点3ランを浴びたが、3試合通じて14回を投げ12奪三振、4四死球で防御率2.75とこちらも好投を演じている。
この全国でも通用する二枚看板と粘りの打線。さらに「数年前から基礎練習を重ねてきたことが形になってきた」(濵口監督)四国大会3試合で失策1のみの堅守で、目指すは「四国に神宮枠」。まずは東海王者・豊川との初戦から彼らは実直に一戦必勝を目指していく。
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この記事の執筆者: 寺下 友徳

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