試合レポート

【四国】決勝 高知 vs 阿南光

2023.11.06


高知vs阿南光・秋季四国大会優勝の高知

【四国】高知が阿南光に競り勝ち、2年ぶり8度目の秋四国頂点に立つ!〈秋季大会〉
〈第76回秋季四国地区高校野球大会:高知5ー1阿南光〉♢5日♢決勝♢オロナミンC球場
2024年3月18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する「第96回選抜高校野球大会」(以下センバツ)の四国地区一般出場枠「2」を決する重要な参考資料となる「第76回秋季四国地区高校野球大会」(以下、秋季四国大会)は5日、決勝戦が行われた。
この日をもって2026年度までの大改修に入る徳島県鳴門市のオロナミンC球場での決勝戦カードは、準決勝で高知3位・明徳義塾を破り、3年連続21回目のセンバツ出場へ大きく歩を進めた高知1位・高知と、同じく準決勝で徳島1位・鳴門を下し、新野時代以来32年ぶり2回目のセンバツ切符をほぼ手中にした徳島3位・阿南光の対戦になった。
両者の公式戦対戦は、高知が8回に一挙6点の大逆転で7対6と勝利した今年4月の春季四国大会1回戦以来。先発投手もその時と同じ、高知の最速145キロ右腕・辻井 翔大投手(2年)、阿南光の最速146キロ右腕・吉岡 暖投手(2年)である。
試合は緊迫の投手戦で進んでいく。「右打者が多いのでフォークを多く使った」という阿南光・吉岡が、カットボール、ツーシームも同じピッチトンネルから交え順調に三振を重ねた。「(2回で降板した)準決勝の後にフォームバランスを修正した」という高知・辻井は140キロ前半の直球と、120キロ後半のスプリット、スライダーを次々と低めに決めて、前日の不調を完全に覆す5回63球3安打8奪三振の好投を見せた。
3回に9番・片井 翔太捕手(1年)のスクイズで先制を果たした高知は、6回からは最速148キロ右腕・平 悠真投手(2年)が2番手のマウンドへ。「ランナーを出した状態よりも、回の頭から投入した方がいい」と濵口 佳久監督が説明する黄金リレーで、今大会3試合すべてで2ケタ安打をマークしている強打・阿南光打線を封じにかかった。

しかし、阿南光高知投手陣に苦しみながらも得点を奪う術を隠し持っていた。その宝刀を抜いたのは二塁打の5番・吉岡を進塁打で進めた7回1死三塁で、主将の7番・井坂 琉星捕手(2年)を迎えた場面。2ボール2ストライクと追い込まれた5球目が投じられる瞬間、吉岡は猛然とホームへ向かってスタートを切った。
軟式野球では稀にある「三塁エンドラン」。これに平が反応し井坂から空振りを奪うも投球は片井捕手のグラブをかすめる暴投となり、阿南光が「準備していたプレー」(髙橋 徳監督)で1対1の同点に追い付くと、試合は再び投手戦の様相を呈してきた。
そして迎えた9回表、延長タイブレークも頭をかすめる中、試合を動かしたのは高知であった。途中出場の6番・筒井 海斗内野手(2年)が阿南光・吉岡の「一番後悔している」浮いたカットボールを右中間に運ぶ三塁打などで作った1死満塁から、1番・西口 塁外野手(2年)の中犠飛で勝ち越すと、なおも2死満塁から3番・大石 來輝内野手(1年)が中越えの走者一掃二塁打で決定的な3点を追加した。
その裏は平が145キロ前後の直球と、落差のあるスプリットで阿南光を3者凡退に斬って取り、高知が2年ぶり8度目の秋季四国大会優勝と、2年ぶり5回目の明治神宮野球大会出場を決めた。
マウンド上で広がった歓喜の輪が解けると、高知の選手たちからは過度に喜ぶ様子はない。「明治神宮大会に優勝して(センバツの)神宮枠を四国に持ってこれるように頑張りたい」と誓った指揮官の下、彼らはもう1度、今大会で出た課題を消化し、履正社(大阪)を破る殊勲の勝利を挙げるも、あと1勝届かなったセンバツ8強を確実に勝ち取る土台を作る場所へと戦いにいく。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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