試合レポート

【東海】新鋭・豊橋中央、初の大舞台も県岐阜商が「一日の長」〈秋季東海大会〉

2023.10.22


<秋季東海地区高校野球大会:県立岐阜商4-0豊橋中央>◇21日◇1回戦◇長良川
初めて秋季東海地区進出を果たした豊橋中央(愛知)。学校としても、間違いなく新たなページを開いたといっていいであろう。その豊橋中央が、東海地区を代表する戦前からの伝統校の1つ、岐阜県のリーダー的存在であり続ける県立岐阜商に対してどのような試合を挑んでいくのか興味深いところだった。

豊橋中央は、県大会3回戦で萩本将光監督の中京大中京時代の恩師でもある大藤敏行監督が率いる享栄を下したのも大きな自信になった。豊橋中央としては、県大会レベルでは2017年夏にベスト4に進出したという実績がある。そして、翌年10月に萩本監督が就任し、今年、1つステージアップしたといっていいであろう。
県立岐阜商は、一昨年は春夏連続甲子園に出場。昨夏も甲子園出場を果たしている。今夏は、「岐阜商対決」となった準決勝で、市立岐阜商に敗れている。そして、この秋は決勝に進出。決勝では岐阜第一に逆転負けしたものの、今大会でも優勝候補の一角に挙げられている。

何人か投手を用意しているという県立岐阜商だが、鍛治舎巧監督は「一番安定感があるし、気持ちも充実している」ということで、大事な初戦は背番号1の森 厳徳投手(2年)を先発させた。その森投手に対して、豊橋中央は先頭の髙安 累外野手(2年)が左前打を放ち、続く夏目 将吾外野手(1年)も四球で無死一、二塁。しかし、バントで送れず、ここから森投手も堪えてこの回を0に抑える。

2回も豊橋中央は、2死から四球と失策に高安の2打席連続安打などで満塁としたものの、あと1本が出なかった。こうして、序盤には豊橋中央が得点機を作っていたが、それを逸して2回、県立岐阜商が四球の走者を5番・葛山 陽平外野手(2年)が二塁打でかえして先制。さらに、バントで進めて7番・佐藤 勇我外野手(2年)の右前打で2点目が入った。これで、試合の主導権は県立岐阜商に傾いたかなという感じになった。

そして3回からは、県立岐阜商の森投手も3人ずつで抑えていっていた。5回には3番・垣津 吏統内野手(2年)の左中間へ運ぶソロ本塁打で1点を追加。試合の流れからしても、非常に価値のある一発だったといえるものだった。
7回に代打を出したこともあって、その裏から豊橋中央は細かく継投で凌いでいく策を講じたけれども、8回、四球の走者がバントで進み、2死二塁から4人目・髙橋 大喜地投手(1年)から、佐藤がこの日、2本目の適時打を放って4対0とした。

このリードで、だいぶ楽になった森投手は9回も、問題なく3者凡退で抑えて、終わってみたら6安打散発で完封勝利ということになった。森投手は140キロ超の直球を武器に、力で押していくタイプではあるが、スタミナも十分で、後半になっても崩れることはなかった。むしろ、中盤以降の方が投球内容としては良かったのではないだろうか。また、7回、8回は三塁まで走者を進めることもあったけれども、そこからの踏ん張りは、力でねじ伏せにいくというよりも、上手に打たせて処理していくという投球の上手さも示した。

県立岐阜商の鍛治舎監督は、「(森投手は)立ち上がりは、ちょっと良くなかったけれども、だんだん良くなっていったね。いいフォームでしっかりと投げていかれる、完成度の高い投手なので、ある程度は任せられるとは思っていた。ただ、打線がもうちょっと打ってほしかったね。5点以上取れたら、快勝ですけれども、今日はそこまでいきませんでした。7回の2死満塁の場面は、同点まで覚悟はしたけれども、本塁打して乗っていた垣津への(三塁)ゴロだったので、いいプレーが出てよかったです」と、試合の流れもいい感じでつかめていたことを強調していた。

豊橋中央の萩本将光監督は、「いつもそうですけれども、ウチは初回から行くぞという姿勢でやっていて、いい形でチャンスを作れたんですけれどもねえ。バントで送れないとか、そういうミスが多かったことで、結局、攻略しきれませんでしたね。ベルトより下の球には手を出さないと、狙い球は絞っていたのだけれども、徹底しきれませんでした。こうして全国レベルのチームと対戦してみたことで、相手の方が大人のチームだったということを感じました」と、初めての東海地区大会で戦った感想をもらしていた。
取材・文=手束 仁

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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