試合レポート

【東海】藤枝明誠、県岐阜商を振り切ってベスト4へ!〈秋季東海大会〉

2023.10.23


藤枝明誠がコツコツと粘り強く、県立岐阜商を振り切ってベスト4

<秋季東海地区高校野球大会:藤枝明誠6-3県立岐阜商>◇22日◇準々決勝◇長良川
前日(21日)に行われた、大会初日の1回戦では豊橋中央(愛知)を6安打で完封した県立岐阜商(岐阜)の森 厳徳投手(2年)。前日は危なげのない投球だったが、期待を担っての連投のマウンドとなった。

静岡県1位校として準々決勝から登場の藤枝明誠(静岡)は、県大会では昨年の優勝校でセンバツ出場も果たした常葉大菊川を準々決勝で下すと聖隷クリストファー浜松開誠館といったところに勝利しての優勝となった。投手は二枚看板がいると言われていたが、背番号10の左の日吉 結雅投手(2年)が先発し、5回からは1番をつけた山田 十三投手(2年)が登板した。それぞれがしっかりと、その任を果たしたといってもいいであろう。

先制したのは藤枝明誠で2回、4番・皆川 皓也捕手(2年)の二塁打から2つのバントで先取点を挙げる。県立岐阜商も3回に2死二塁から2番・寺前 雄貴内野手(2年)の三塁打で同点とする。

4回には藤枝明誠が2死走者なしから、皆川のこの日2本目の二塁打から好機を作ると、川碕 拳慎内野手(2年)の右前打でかえし、さらに四球後、7番・平口 貴一外野手(2年)が三塁打を放って2人がかえり、藤枝明誠が再びリードする。その裏、県立岐阜商は7番・水野 陽喜捕手(2年)と8番・森投手の中前打と、バッテリーの連続適時打で1点差とする。こうして、細かく点の取り合いになっていく展開かと思われた。

5回にも藤枝明誠は四球の走者をしっかりとバントで送って2死二塁としたところで、3番・一瀬 友希内野手(2年)が左前打でリードを広げる。さらに、7回にも、先頭の9番・梶田 翔太内野手(2年)が三塁線を破る二塁打を放って、バントで進むと、3番・一瀬の適時打でかえってリードを広げていった。そして、そのリードを5回からリリーフした山田投手がしっかりと守っていって、藤枝明誠は逃げ切った。

藤枝明誠の光岡孝監督は、「力がなくてもみんなが守って、コツコツと打っていくことで何とかなるという、このチームの特徴が出ました。投手も、この大会に出られるような投手ではないかもしれませんが、捕手の皆川がいいリードをしてくれて、これで力以上のものを引き出してくれたのかもしれません。皆川は、元々は三塁手として入ってきたのですが、センスがいいので捕手としました。この日は打っても4番でいいところで打ってくれて、得点に絡んで頼もしいですね」と、皆川捕手に関しては目を細める喜びだった。

そして、センバツも視野に入ってきたベスト4進出に関しては、「正直、ビックリしています。このチームで県大会優勝でも、ビックリですから…(苦笑)。だけど、負けない野球というのを選手が徹底していってくれていることの成果が出ているのだと思います」と、県大会から続く快進撃に喜んでいた。「ウチとしては、このチームの戦力からしたら、県大会の優勝だって、大ラッキーですからね。だけど選手たちも、そのことを分かっていると思います。これで勢いに乗れているところはあるかもしれませんね(苦笑)」という、チームの勢いも感じているようだった。

県立岐阜商の鍛治舎巧監督は、「相手より多い13安打を放っていながら勝てない。これは監督の責任です。また、秋の段階で、森に続く投手を育てきれなかったというのも、監督の責任です。今は、勝たなければいけない試合を負けた悔しさでいっぱいですけれども、冬の間にそれぞれの課題を克服していきながら作り直します」と、センバツを逃した悔しさとともに、夏へ向けての出直しへの思いを述べていた。
取材・文=手束 仁

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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