【東京】日大鶴ケ丘、1年生エース・小林が20イニング連続無失点でコールド勝ち!〈秋季東京大会〉
<秋季東京都高校野球大会:日大鶴ヶ丘10ー0桜美林(6回コールド)>◇21日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
西東京の強豪校対決は、桜美林は沼田 優杜投手、日大鶴ヶ丘が小林 駿斗投手と、両チームとも1年生投手が先発した。
試合が動いたのは2回、日大鶴ヶ丘は1死後、7番・小原 惇矢捕手(2年)がフルカウントからの変化球をたたき、二塁打を放った。「3ボール1ストライクから変化球でストライクを取りに来たので、次も変化球と思っていました」と、捕手らしい読みが当たっての長打だった。続く昆 友樹外野手(1年)も二塁打を放ち、日大鶴ヶ丘が1点を先制した。
それでもその後は両投手が頑張り、得点のチャンスすらないまま6回、日大鶴ヶ丘の攻撃を迎える。1死一、三塁から7番・小原が左前安打を放ち、日大鶴ヶ丘が待望の追加点を挙げた。続く8番・昆の四球で満塁となり、9番・小林は三ゴロ。三塁手が本塁に送球したが、これが悪送球になり、2人が生還。
ここから桜美林が一気に崩れる。1番・五十嵐 悠内野手(1年)が死球で出塁したところで、桜美林は投手を沼田から2年生の奥田 晃投手に交代したが、日大鶴ヶ丘の勢いを止めることはできなかった。2人続けて押し出しの死球でこの回5点目が入る。さらに打者一巡して4番・西川の右前安打で2点を追加。暴投でこの回8点目。最後は、またも小原が中前安打を放ちこの回9点目の10対0。6回コールドが成立した。
途中まではほぼ互角の展開で、それほど差があったわけではない。ただ1度相手に勢いがつくと、桜美林としては止める手立てがなかった。この秋から監督に就任した津野裕幸監督は、「沼田はもっとできる選手です。ただ点を取れなかったのが響きました」と語る。津野監督は選手たちについて「素直さはあります」と語る。伝統の重さを知るOBだけに、「甲子園目指して頑張りたい」と力強く語った。
日大鶴ヶ丘を勝利に導いたのは、やはり小林の好投であった。これで今大会、3試合20イニング連続無失点。「何がいいんでしょうかね」と日大鶴ヶ丘の萩生田博美監督は不思議がる。捕手の小原は「1年生だけど、メンタルがすごく強いです」と語る。それにテンポの良さと制球力だろう。3試合で四死球が5。大崩れすることなく、安定した投球が光る。準々決勝は早稲田実業と対戦。強力打線相手にどのような投球をするか楽しみだ。
取材・文=大島 裕史