【関東】花咲徳栄が「豪快」と「緻密さ」を兼ね備えた野球で横浜を撃破!<秋季関東大会>
花咲徳栄vs横浜の名門校同士の一戦。8対6の激戦の末、花咲徳栄が勝利を収めた。この試合は花咲徳栄のスケールの大きさと緻密さを兼ね備えた試合運びが光った。
横浜は秋の準決勝・東海大相模戦でタイブレークで4点差を逆転。決勝戦では、敗れたとはいえ、14対15の一戦を演じている。花咲徳栄の選手たちはこうした戦いの模様をビデオで見て、横浜の粘り強さを実感し、戦いのプランを構築した。
野手はバント、盗塁、ランナー三塁のゴロゴースタートの徹底投手はインコースの徹底だった。
花咲徳栄の岩井監督は「組み合わせが決まった時点で走塁や、バントの重要性は語っていて、生徒たちは理解して、練習に取り組んでくれました」と語る。
まずポイントとなったのは1回表。岩井監督は試合の主導権を握る1つのワードとして、「試合開始から5分で先制」と伝えている。その言葉通り、4番石塚 裕惺内野手(2年)の2ランで先制。1回裏、横浜は4番椎木 卿五捕手(2年)の2点三塁打、6番松本 莉希捕手(2年)のスクイズで3点を入れ逆転。だが、押せ押せムードで3点止まりに終わったことが結果的に響いた。
花咲徳栄も粘り、3回表に押し出し死球、5回表には相手のミスから二、三塁のチャンスを作り、内野ゴロの間に1点を勝ち越しに成功する。さらに6回表も一、三塁のチャンスから野選、さらに満塁のチャンスから併殺崩れの間に1点を追加。この間に横浜守備陣の乱れもあり、かなり苦しい試合運びとなっていた。そこを足攻で追い詰めた花咲徳栄の試合運びの上手さが光った。
7回表にも横山 翔也内野手(2年)の本塁打で1点を追加。その裏、横浜が追い上げて、7対6の1点差に迫るが、8回表、花咲徳栄は5番田島 蓮夢外野手(2年)の貴重な適時打で8対6とした。
花咲徳栄投手陣は横浜の反撃をしのいで、初戦突破を決めた。
この試合で光ったのは1回途中からマウンドに登った岡山 稜投手(2年)の力投。130キロ後半の直球を強気に内角攻め。左打者は振り遅れの打球が目立っていたが、花咲徳栄の守備陣はその打球を想定し、三塁、レフトはライン際に守り、シフト通りに打球が飛んでいた。
岩井監督は「こうした長い時間のゲームでも集中力を切らさずにやってくれました」と選手たちの精神力の強さを評価していた。花咲徳栄にとってはこうした相手を粘り強い試合運びで勝利できたのはまた、選手を大きくできるだろう。
横浜も敗れてセンバツは絶望的になったとはいえ、県大会から通じて簡単に負けないチームになった。1人1人の選手のスキルを見直すと、もちろん課題はある。ただ、それも伸びしろ。来春までには更に怖いチームになる予感はある。