試合レポート

【関東】花咲徳栄が「豪快」と「緻密さ」を兼ね備えた野球で横浜を撃破!<秋季関東大会>

2023.10.22


花咲徳栄vs横浜の名門校同士の一戦。8対6の激戦の末、花咲徳栄が勝利を収めた。この試合は花咲徳栄のスケールの大きさと緻密さを兼ね備えた試合運びが光った。
横浜は秋の準決勝・東海大相模戦でタイブレークで4点差を逆転。決勝戦では、敗れたとはいえ、14対15の一戦を演じている。花咲徳栄の選手たちはこうした戦いの模様をビデオで見て、横浜の粘り強さを実感し、戦いのプランを構築した。

野手はバント、盗塁、ランナー三塁のゴロゴースタートの徹底投手はインコースの徹底だった。
花咲徳栄の岩井監督は「組み合わせが決まった時点で走塁や、バントの重要性は語っていて、生徒たちは理解して、練習に取り組んでくれました」と語る。

まずポイントとなったのは1回表。岩井監督は試合の主導権を握る1つのワードとして、「試合開始から5分で先制」と伝えている。その言葉通り、4番石塚 裕惺内野手(2年)の2ランで先制。1回裏、横浜は4番椎木 卿五捕手(2年)の2点三塁打、6番松本 莉希捕手(2年)のスクイズで3点を入れ逆転。だが、押せ押せムードで3点止まりに終わったことが結果的に響いた。

花咲徳栄も粘り、3回表に押し出し死球、5回表には相手のミスから二、三塁のチャンスを作り、内野ゴロの間に1点を勝ち越しに成功する。さらに6回表も一、三塁のチャンスから野選、さらに満塁のチャンスから併殺崩れの間に1点を追加。この間に横浜守備陣の乱れもあり、かなり苦しい試合運びとなっていた。そこを足攻で追い詰めた花咲徳栄の試合運びの上手さが光った。

7回表にも横山 翔也内野手(2年)の本塁打で1点を追加。その裏、横浜が追い上げて、7対6の1点差に迫るが、8回表、花咲徳栄は5番田島 蓮夢外野手(2年)の貴重な適時打で8対6とした。

花咲徳栄投手陣は横浜の反撃をしのいで、初戦突破を決めた。
この試合で光ったのは1回途中からマウンドに登った岡山 稜投手(2年)の力投。130キロ後半の直球を強気に内角攻め。左打者は振り遅れの打球が目立っていたが、花咲徳栄の守備陣はその打球を想定し、三塁、レフトはライン際に守り、シフト通りに打球が飛んでいた。

岩井監督は「こうした長い時間のゲームでも集中力を切らさずにやってくれました」と選手たちの精神力の強さを評価していた。花咲徳栄にとってはこうした相手を粘り強い試合運びで勝利できたのはまた、選手を大きくできるだろう。

横浜も敗れてセンバツは絶望的になったとはいえ、県大会から通じて簡単に負けないチームになった。1人1人の選手のスキルを見直すと、もちろん課題はある。ただ、それも伸びしろ。来春までには更に怖いチームになる予感はある。

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.22

【九州地区ベスト8以上進出校 7・22】福岡と佐賀で決勝のカードが決定、宮崎、鹿児島では4強が出揃う【2024夏の甲子園】

2024.07.23

「松坂さんを超える投手になる」偉大な先輩を夢に見る横浜のスーパー1年生が最速147キロを計測!4回5奪三振完全投球で決勝進出に貢献!

2024.07.23

全国トップレベルの投手陣が打ち込まれる…仙台育英、被安打19、8失点で15年ぶりの決勝戦敗退

2024.07.23

横浜がサヨナラ勝ちで決勝進出! 1年生右腕が147キロ計測で4回0封!春王者・武相との激闘制す!

2024.07.23

変則投手にも動じない今年No.1スラッガー・石塚裕惺(花咲徳栄)、知られざるルーティンとは?【24年夏・埼玉大会】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」