【甲子園】2回戦 浜松開誠館 vs 北海
北海、浜松開誠館の投手陣のハイレベルな投球で手に汗握る熱戦に
<第105回全国高校野球選手権記念大会:北海3-2浜松開誠館>◇14日◇2回戦◇甲子園
好投手相手に長打攻勢で勝ち上がった浜松開成館(静岡)と、強力打線で逆転サヨナラ勝ちを収めた北海(南北海道)。初戦と同じく、お互いが持ち味を発揮すれば、打撃戦が予想されたが、試合は1点を争う好勝負になった。
ロースコアの勝負になる時、投手は甘いコースへ投げる頻度が低い。コースギリギリにきっちりせめて、打ち取ることができる。特に序盤でそれができると、投手は自分のリズムに乗りやすい。北海の147キロ右腕・岡田 彗斗投手(3年)、左腕・廣崎 漣投手(3年)はともに持ち味を発揮した。
岡田は初回に146キロをマークし、常時140キロ前半をマーク。走者を背負う場面もあったが、自慢の球威で打ち取ると一気にのって行った。初戦の明豊(大分)戦で打ち込まれ、「全国は甘い球を見逃してくれなかった。次戦へ向けてしっかりと修正したいです」と語り、短い期間で取り組んできた。フォームのチェックを行い、立島部長からは「フォームの軸がぶれていたと指摘されたので、そこを修正しました。」と球威が蘇っていた。
初回を抑えたことで「乗っていくことができました」と0を重ねる。4回に先制を許したが、実に安定していた。
廣崎は、130キロ中盤の直球だが、内外角へ投げ分けていた。投げ急ぐこともなく、変化球を効果的に使い、狙い球を絞らせない。特に110キロ後半のスライダーが低めに決まっていた。打者を考えさせる投球で、気持ちよくフルスイングを許していた初戦と違って、引っ掛け気味の打球や、腕だけで振るような力のないスイングしかさせず、凡打の山を築く。
北海のもう1人のエース・熊谷 陽輝内野手(3年)も140キロ中盤の速球を投げ込んだ。一塁を守っている時も「常に自分が投げることをイメージして守っていました」と心の中で準備し、リリーフでも安定した投球を見せた。
浜松開成館の主砲・本多 駿外野手(3年)は「初戦よりも厳しいコースへ投げていて流石だなと思いました」と語る。それでも8回は一時、勝ち越しとなる適時打を放ち、「初戦は打てなかったので、この試合で打ててよかった」と安堵の表情を浮かべた。
最後は北海がサヨナラ勝ちを収めたが、浜松開誠館も、北海も、どちらも持ち味を発揮した。浜松開誠館は徹底したフィジカル強化で、投打ともにパワフルな野球を見せつつ、高い守備力を発揮した。北海は名門校らしく投打、守備とハイレベルなパフォーマンスを見せてくれた。まさにナイスゲームだった。