試合レポート

沖縄尚学vs日本ウェルネス沖縄

2023.07.18


- 東恩納蒼vs安里幸大 -

<第105回全国高校野球選手権沖縄大会:沖縄尚学3ー0日本ウェルネス沖縄>◇16日◇決勝◇沖縄セルラースタジアム那覇

過去にどれだけあっただろうか。両チームのエースの成績がこれほどまでに類似し、多くのファンが投手戦を期待する決勝戦が…。

沖縄尚学東恩納 蒼

2回戦 対コザ 1.2回 打者4人 被安打1 奪三振0 与四死球2

3回戦 対エナジック 9回 打者29人 被安打5 奪三振9 与四死球0

準々決勝 対未来沖縄 8回 打者24人 被安打3 奪三振7 与四死球0

準決勝 対宮古 3.2回 打者14人 被安打2 奪三振5 与四死球0

日本ウェルネス沖縄・安里 幸大】

2回戦 対宮古工・宮古総合実連合 6回 打者23人 被安打7 奪三振5 与四死球2

準々決勝 対糸満 9回 打者28人 被安打0 奪三振13 与四死球1
※ノーヒットノーランを記録

準決勝 対興南 8.0回 打者28人 被安打7 奪三振4 与四死球2

東恩納 蒼  安里 幸大
防御率   0.00     0.00
被打率   .155   .177
奪三振率  8.48    8.61
K/BB  10.50   5.50

※両投手ともに準決勝を終えた投球成績

決勝では、両投手ともに走者を許すものの、要所要所で締めた沖縄尚学の東恩納に軍配が上がった。

- 着実に加点していった沖縄尚学 -

これが選抜高校野球大会で2度優勝した名門校の底力なのか。沖縄尚学は初回、2番・糸数 幸輝外野手(3年)が左中間を破る三塁打で出塁すると、続く玉那覇 世生外野手(3年)の内野ゴロの間に三走を迎え入れる。

さらに4回、糸数が2打席連続となる安打を放つと犠打で送り、仲田 侑仁内野手(3年)も中前で続く。ここで5番・主将の佐野 春斗内野手(3年)が意表をつく技ありのセーフティースクイズ。結果、佐野も一塁セーフとなる。その後、満塁とした沖縄尚学だったが、ここは日本ウェルネス沖縄の安里幸が後続を中飛に斬る粘投で最少失点に抑えた。

一方、日本ウェルネス沖縄打線も1回、4回と無死から走者を出したものの、力強い直球で押してくる東恩納の前にあと1本が出ない。6回、7回と沖縄尚学打線を三者凡退に仕留めていた日本ウェルネス沖縄の4番打者であり、2番手としてマウンドに上がっていた當銘 愛渉内野手(3年)だったが8回につかまる。

8回表、沖縄尚学は玉那覇がヒットで出塁。1死後、佐野のまたもや技ありの内野安打でチャンスを広げると、6番・東恩納も中前で続く。ここで元5番ながら、この日は7番に甘んじていた川満 渚生内野手(3年)が左翼へ犠牲フライ。大きな大きな3点目が入った。

諦めたくない日本ウェルネス沖縄だったが9回裏、1死から上原にヒットが出るも併殺でゲームセット。この大会ここまで防御率ゼロの東恩納の牙城を最後まで崩せず、涙を飲んだ。

佐野主将や川満らの口から出る言葉は、センバツでの悔しい負け方。その借りを返すためにも夏の選手権沖縄大会で負けるわけにはいかないという思い。優勝を目指すと宣言した佐野主将以下沖縄尚学ナインの逆襲は、まだまだ始まったばかりだ。(當山)

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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