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九州王者・沖縄尚学の戦力を徹底分析!対抗馬となる4校もピックアップ

2023.01.18

 春は沖縄水産が、夏は興南が、秋は沖縄尚学が優勝と、甲子園で結果を残してきた名門がそれぞれの大会を制覇した2022年。三國志の魏、呉、蜀よろしく2023年も群雄割拠の状態が続くかと思われたが、沖縄尚学が九州地区高校野球大会をも制覇。選抜高等学校野球大会出場をほぼ確定させ、[stadium]明治神宮野球大会[/stadium]でも敗れはしたが、仙台育英(宮城)に8回を終えて4対0とリードする力をも見せたことで、秋の短期間で沖縄尚学が頭一つ抜け出た格好だ。

打線は九州随一。あとは二番手投手次第の沖縄尚学

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東恩納 蒼

 沖縄県高校野球秋季大会で優勝した沖縄尚学。そのチーム打率は圧巻の.432。5試合39イニングで48得点。9イニングに換算すると11.08という得点率になる。失点は僅かに7のみ。同じように9イニングで換算すると1.62。優勝しないわけがない数値が並んだ。打線を牽引するのは「知花が打って仲田が返すのが理想的」と、比嘉 公也監督も絶大な信頼を置く知花 慎之助外野手(2年)と仲田 侑仁内野手(2年)。

 恐怖の1番打者として君臨してきた知花。沖縄県高校野球秋季大会の打率が.647。相手投手のレベルが格段に上がるはずの九州地区高校野球大会の打率は、それを上回る.714。鳥栖(佐賀)との試合で2打席連続ホームランをマークする派手なスタートを切ると、チャンスに回ってきたとき相手投手が知花との勝負を避け敬遠するという場面が多々見られた。バットコントロールに優れ且つ、捉えどころのミートポイントを知り尽くしているといった感じで、沖縄尚学の練習グラウンドである沖尚ボールパークでのフリーバッティングでも、左中間に聳える高いフェンスを軽々と超える打球を放っていた。

 主に3番、4番を務めた仲田。沖縄県高校野球秋季大会の打率が.600。九州地区高校野球大会の打率は.438だった。恵まれた大きな身体から生まれるフルスイングは力強い。2大会の打率を見てもミート力は上位の方だが、仮に知花のそれを備えていたなら、大会でのホームランがあと3、4本あってもおかしくないだろう。

 投手陣を引っ張るのはエース東恩納 蒼投手(2年)。沖縄県高校野球秋季大会での防御率は1.91。九州地区高校野球大会では2.43も、試合を壊さず作り続ける能力に長けており、それがチームの流れを生み、打線を活発にさせている。敗れはしたものの、明治神宮野球大会で仙台育英(宮城)を相手に8回までゼロに抑えていたのは、東恩納の真骨頂と言えるだろう。

 エースに続くのは、照屋 希空投手(2年)と儀部 晧太朗投手(2年)の両右腕か。共に九州地区高校野球大会で東恩納をリリーフ。照屋は準決勝の長崎海星(長崎)戦で、2イニング6打者無安打無四球ピッチング。儀部は決勝の長崎日大(長崎)との戦いで3番手として登板。2イニング7打者無安打2四球だった。共に課題は制球力。この冬で下半身をイジメ抜き、安定感を養えれば沖縄尚学にとって鬼に金棒となる。

[page_break:沖縄尚学を追う私学4校/打倒私学。虎視眈々と大物喰いをはかる公立の雄たち]

沖縄尚学を追う私学4校

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平山 航多

 沖縄県高校野球秋季大会で準優勝し、九州地区高校野球大会でも初出場ながら初勝利を飾った日本ウェルネス沖縄。その主力はなんといってもエース上原 律己投手(2年)だ。

 沖縄県高校野球秋季大会準決勝の糸満戦で、7奪三振無四球1失点完投。九州地区高校野球大会初戦の佐賀北(佐賀)戦でも2失点完投と、安定感では沖縄尚学・東恩納に引けをとらない。どんな場面でも表情ひとつ崩さず頭は冷静、心は熱くで打者に立ち向かう。制球も良く、サイドハンドから135キロ近くの球を随時、内と外に投げ分ける技術に、ここぞというときに三振を狙って奪うこともできる。沖縄尚学打線と対戦したことが無いのも、来年の楽しみのひとつだ。

 沖縄尚学のライバル興南は2人のサウスポーが主軸。昨年からの経験が武器の平山 航多投手(2年)は2022年さらに力強さを増した。沖縄県高校野球秋季大会序盤では10イニング連続ノーヒットの離れ業。糸満との3位決定戦でも、7回6奪三振無四球1失点。打ち返されたのが沖縄尚学打線のみだったことで、平山の中でリベンジの炎はこの冬でも燃え上がり、来年、更なる強さを見せることだろう。

 1つ年下の田崎 颯士投手もまだ1年生ながら130〜135キロとパワフルなピッチングを見せる。1年生中央大会準決勝戦では、新鋭エナジックに6失点(3自責点)を喫したが、9回9奪三振をマークした。

 その興南の田崎を打ち砕き、決勝戦の宜野座戦でも完封リレーで1年生中央大会で優勝したエナジック。創部1年目の1年生軍団ながら、沖縄県高校野球秋季大会で堂々のベスト8入り。新里 哲弥投手と古波蔵 虹太投手の両本格派右腕を軸に、15名ながら複数投手を備える。

 1年生中央大会で先発した投手を見てみると、新里が八重山を相手に5回4安打0自責点。大城 颯斗投手が興南を6回6安打3自責点。古波蔵は、具志川商戦で5回5打1自責点、宜野座戦では6回5安打無失点だった。より体力がついてくる来年、もしかしたら夏の選手権沖縄大会で早くも頂点に立つ奇跡が見られるかも知れない。

 ドラフト会議で巨人軍から育成指名された未来沖縄大城 元投手。その大城と遜色ない良質な球筋を持つのが依田 龍斗投手(2年)だ。夏の選手権沖縄大会2回戦で対戦したのが第1シードの沖縄水産だったが、先発した依田は4回を投げ僅か3安打無失点。沖縄県高校野球春季大会準々決勝戦で2対9と7回コールドで負けた相手に勝てたのは、「依田が良いスタートを切ってくれたから」と、神山 剛史監督もその力を認めたほどだ。

 続く糸満戦でも先発した依田は、8回までゼロに封じる好投。9回に同点ソロを浴びて降板したが、その安定感は与勝戦、興南戦でも発揮された。課題であるスタミナをこの冬に培って春に優勝し、夏の山で沖縄尚学と反対側のシードに座り決勝で沖縄尚学と対戦し破ることが未来沖縄の目標だ。

打倒私学。虎視眈々と大物喰いをはかる公立の雄たち

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前原 惺凪

 沖縄県高校野球秋季大会の沖縄尚学戦で2番手として登板し、6回からの4イニングで内野ゴロの間の1失点のみと粘投した加治工 博馬投手(2年)を擁する沖縄工日本ウェルネス沖縄を8回4安打無失点に抑えた前原 惺凪投手(2年)がいる糸満。その糸満との準々決勝戦で全5打席出塁、二塁打を含む4安打を放ち、1年生中央大会でも準優勝した注目の1年生・大城 康宝投手のいる宜野座。その宜野座と延長10回を戦い、1年生中央大会でもエナジックと9回を終え4対4と互角に渡り合った具志川商。新人中央大会で準優勝したサイドハンド永山 大地投手(2年)率いる北谷日本ウェルネス沖縄の上原と投げ合い、8回自責点1と好投した新里 竜正投手(2年)の宮古。そこに前原首里宜野湾浦添商らが続く。そして忘れちゃいけない沖縄水産。夏と秋に初戦敗退したからこそ、汚名返上をかけた牙を、23年は剥き出して来ることだろう。

(記事:當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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