Column

國學院久我山のセンバツ4強など東京の高校野球3大ニュースを発表!

2022.12.24

國學院久我山センバツで準決勝進出

國學院久我山のセンバツ4強など東京の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
國學院久我山・上田 太陽

 今年の東京の高校野球界で、最も明るい話題はやはり、國學院久我山のセンバツ・ベスト4だろう。東京勢がセンバツで準決勝に進出するのは、2012年の関東一以来10年ぶりだ。

 前評判は決して高かったわけではない。エースも不在だった。それでも成田 陸投手(3年)、渡邊 建伸投手(3年)、松本 慎之介投手(3年)といった投手が、それぞれの役割を果たした。打線では準々決勝での下川邊 隼人内野手(3年)の本塁打が目立ったが、攻撃的なバントも全国に強い印象を残した。そして、忘れてはならないのは、昨年の秋にイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)による特別指導も見逃せない。もともと学習能力の高い選手たちは、イチロー氏の教えを自分なりに生かして、甲子園で活躍した。しかし準決勝では大阪桐蔭に力負けした。

 1962年は日大三が準優勝、72年は日大櫻丘と日大三の東京決戦になり日大櫻丘が優勝、82年は現監督の市原 勝人投手を擁する二松学舎大附が準優勝、92年は帝京が優勝(東京から優勝はその後出ていない)、2012年は関東一がベスト4と、2002年を除き末尾が2の年に東京のチームが好成績を残す不思議な現象は、今年も続いた。

3年ぶりに神宮球場で夏の大会を通常通りに開催

國學院久我山のセンバツ4強など東京の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム

 この2年、東京の高校野球はコロナに加え、東京五輪のため、変則的な開催になっていた。東京の高校野球といえば、やはり学生野球の聖地・[stadium]神宮球場[/stadium]だ。一昨年、昨年と東東京大会の一部の試合は[stadium]神宮球場[/stadium]で行われたが、この夏は、西東京大会の準々決勝以降も含め、3年ぶりに[stadium]神宮球場[/stadium]で通常通り開催された。東東京大会は1回戦から[stadium]神宮球場[/stadium]で行われているが、準々決勝からの[stadium]神宮球場[/stadium]は、「やはり違います」と都立文京の梨本 浩司監督は言う。

 7月31日に行われた西東京大会の決勝戦は、日大三東海大菅生という好カードということもあって、2万2000人の観客が詰めかけ、外野席も多くの観客で埋まった。

 また昨年は夏の東西東京大会の準決勝、決勝戦が行われた[stadium]東京ドーム[/stadium]と、秋季都大会の準決勝、決勝戦が行われた[stadium]神宮球場[/stadium]の外野席に限り、ブラスバンドやチアガールの応援が認められたが、今年は春の準々決勝から、一部の球場を除き応援が認められた。まだ声出し禁止などの制限はあるものの、コロナ前の日常に徐々に戻りつつある。

都立富士森の4強など、都立旋風が起きる

國學院久我山のセンバツ4強など東京の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
仲間と喜びを分かち合う都立富士森・甲斐 凪砂

 この夏の東京で最大のサプライズは、都立富士森の西東京大会・準決勝進出であろう。秋も春も1次予選で敗退し、廣瀬 勇司監督から「今までで一番弱い代」と厳しい言葉をかけられてきた。しかし4回戦で聖パウロ学園に延長11回の熱戦の末勝利すると勢いに乗り、5回戦ではシード校の駒大高を破った。[stadium]神宮球場[/stadium]で途中からナイターで行われた日大鶴ヶ丘戦も延長戦の激闘を制した。準決勝で日大三には完敗したが、[stadium]神宮球場[/stadium]での試合を楽しんでいる姿が印象的だった。

 東東京大会の準々決勝では、都立城東が優勝候補の筆頭であった関東一を破った試合も驚きであった。東東京大会では、都立城東のほか、都立文京都立小山台の3校がベスト8に残り、都立勢の健闘が光った。

 その一方で、元祖都立の星ともいえる都立東大和は、秋の大会の登録はギリギリの10人。かつては100人を超える大所帯であった。部員減少は都立東大和だけではない。それでなくても野球人口が減少しているうえに、コロナで部員の勧誘が難しいことも要因になっているようだ。

 都立といえばこの秋、イチロー氏は都立新宿を指導した。進学校の球児たちが、イチロー氏の指導でどう変わるか。来年を注目したい。

(記事:大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.27

昨夏甲子園4強・神村学園が連覇かけ鹿児島決勝に挑む!樟南は21度目の甲子園狙う【全国実力校・27日の試合予定】

2024.07.26

名将の夏終わる...春日部共栄・本多監督の最後の夏はベスト4で敗れる【2024夏の甲子園】

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.26

シード3校を撃破!ダークホース・岐阜城北、昨秋優勝の岐阜第一を下して決勝へ【24年夏・岐阜大会】

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.21

名将・門馬監督率いる創志学園が3回戦で完敗…2連覇狙う履正社は快勝【近畿・中国実力校20日の試合結果】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」