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仙台育英が求める選手のマインド、技術的な長所とは? vol.2

2022.07.14

 高校野球を代表する超名門・仙台育英(宮城)。今回は仙台育英が求める選手像について紹介したい。仙台育英でプレーしたいと思っている中学生は必見。仙台育英が求めるものは令和で力強く生き残る中高生への重要なメッセージでもあった。

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「最初の2年間が原点」最新鋭のチーム運営を行う仙台育英はいかにして生まれたのか vol.1
仙台育英が求める選手のマインド、技術的な長所とは? vol.2
大阪桐蔭から学び、日本一を目指してきた仙台育英の22年度の改革 vol.3

仙台育英が語る自主性とは

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仙台育英のアップ模様

 仙台育英はどんな選手を求めているのか? 仙台育英に入る選手は、全国トップクラスの名門校に負けない野球の力量を持ち、なおかつ仙台育英に合格できる学力を持った選手であることはもちろんだが、須江監督は人間性も大事だと語る。

 「僕たちは自分で考えて行動できることに物凄く価値があると考えています。学校の校風もそうですし、野球部も前任の佐々木 順一朗先生(現学法石川監督)や竹田 利秋先生(現國學院大総監督)の頃から長くこだわってきました」

 平成初期から現在までの仙台育英の選手たちは、自主性が高く、大人びて見えた。取材をしていても意識が高く、大学生と話している雰囲気があった。仙台育英が考える自主性の定義とは何か。

 「誰かに言われてやらされる、強制させられて自分の意志で行動できないことに価値は感じていません。僕達は自分で考えて行動できない気質では、我が校では成長できないといえます。また学業に対して意識の高い子が伸びています。学力があって、思考力が高い子は伸びるといえます」

 現在は情報が氾濫する時代で、多くの教材もネット記事、動画などで入手できるようになった。須江監督は情報を集めることを積極的に推奨している。
 「情報を集めることに大賛成です。そういう中でも今は情報が多い時代です。高校野球ドットコムさんもそうですし、強豪校の練習、注目選手はこういう考えのもとでこういう練習をしているというのを発信され、読者はそれを入手できるようになりました。こういう情報を集めるべきだと思っています」

 情報収集に加えて取捨選択する姿勢も何よりも重要と語る。

 「自分で調べた情報を実際に自分で試して見ると、良いことも悪いことも分かる。取り入れる中で、自分の意志を持って仕入れないと、せっかくの手法もうまく扱えないので混乱してしまいます。取り入れた手法はこの人には嵌るかもしれないけれど、自分には当てはまらない理由を言語化できたり、じゃあこの理論を自分のものにするには、ただやるだけではなく、自分なりにアレンジして、できるまでやり抜く根気強さも必要です。右、左に飛びつくだけでは何もできないです。今の時代は情報が多すぎるからこそ、自分にとって必要な情報は何か? それを整理する力が選手自身に問われています」

 さらに素直さも必要だという。

 「これは指導者の言うことに従順でありなさいということではなく、物事に対してフラットに考えられる選手です。私はこういう考えだから、これしかやらないのではなく、自分を俯瞰(ふかん)して、相手に言われている意図を理解して、動ける選手。これは社会を生きる上でも大事な考えだと思います」

 これは選手だけではなく、一社会人にとっても大事な考えだろう。自分の立ち位置を把握し、上司や周りの方が指摘する内容にはどういう思いがあるのか。それを理解し、実行できる社会人は活躍している。

[page_break:投手は大化けする可能性を持った逸材、打者は当て勘がよい選手]

投手は大化けする可能性を持った逸材、打者は当て勘がよい選手

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打撃練習に打ち込む仙台育英の選手

 須江監督は実績だけではなく、仙台育英の環境なら伸びる可能性がある投手を望んでいる。目に見える球速や体格ではなく、仙台育英の環境下でトレーニングや実戦経験を積んでいけば、大きく伸びる可能性を持った投手を望んでいる。入学当初は120キロ台でも、140キロ台に達する投手も多く生まれてきた。

 今年も、左腕・斎藤 蓉投手(3年)は入学当初、125キロだったが、今では145キロを計測するまでになっている。斎藤に限らず、仙台育英は入学してから球速を伸ばす投手が多く、3年間で20キロ以上球速アップした投手は2人、15キロ以上は4人、10キロ以上は5人。4月に入学したばかりの1年生ですら、3か月で10キロ以上球速を伸ばしたのが2人いる。結果、140キロ以上投げる投手が14人になっており、スケールが大きい投手陣を形成できている。

 打者では「当て勘が良い」選手が成功しやすいという。

 「同じコースの球で連続で空振りをしないということですね。たとえば、外角の速球を1球目は空振りしたけれど、2球目はファウルにする、フェアゾーンに飛ばす、ヒットにするなど。変化球でもスライダーを連続で空振りしないのも良いと思います。そういう選手は中学時代にフィジカルが低くて目立たなくても、高校3年間でフィジカルを鍛えていけば、その当て勘を発揮し、中学時代にスラッガーと呼ばれていた選手を抜く逆転現象もあります。
 うちの選手たちはその当て勘をどう磨いて、さらにフィジカルを鍛えて長打力を伸ばし、結果を残すかにこだわっているといえます」

 選手を求める基準、そして活躍する選手タイプが実に明確だ。就任以降、2年連続で夏の甲子園に出場し、19年夏ベスト8、21年のセンバツベスト8へと駆け上っていた。そして迎えた21年夏の宮城大会。さらに成長させる機会があった。

(取材=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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