トーナメント表
・西東京大会の組み合わせ
6月18日、東西東京大会の組み合わせが決まった。東東京大会は関東一、二松学舎大附、帝京、西東京大会は日大三、國學院久我山、東海大菅生がそれぞれ抜けた存在になっているが、序盤から好カードがあり、波乱の要素も十分にある組み合わせになった。
都立日野と創価がいきなり激突
矢後和也(日大三)、杉江 敏希(創価)、廣岡 太平(日野)
今年の西東京大会はシード校が日大三、國學院久我山、東海大菅生、駒大高、早稲田実、日大鶴ケ丘の6校しかなく、第1シードの日大三は準決勝までシード校に当たらない。
しかし楽な組み合わせどころか、最も厳しいブロックになったという感じだ。日大三が順当なら5回戦で対戦するブロックでは都立日野と創価が初戦でいきなり激突。初戦屈指の好カードであり、初戦で当てるのはあまりに惜しい対戦だ。
創価は経験豊富なエースの杉江 敏希、東京屈指のパワーヒッターの小原 快斗がおり、都立日野にはチェンジアップがいい左腕の松本 蓮、攻守の中心となる廣岡 太平がおり、投打とも高いレベルでの戦いが予想される。
日大三が5回戦で対戦することになるブロックには、都立総合工科、日大櫻丘なども控えている。日大櫻丘は50年前のセンバツの優勝校。その時決勝戦で対戦したのが日大三であったが、50年前のセンバツの決勝戦の再現までの道のりはかなり険しい。
日大三は初戦で聖徳学園と桐朋の勝者と対戦する、日大三は3年前の夏、3回戦で桐朋と対戦し4-1,4回戦で聖徳学園と対戦し5-1と、いずれも苦戦しており、力の差はあるものの、初戦の相手としては楽でない。
日大三が順当に勝ち進んだ場合、準々決勝で対戦するブロックには、急成長を遂げているジョンソン・マーカス太一を擁する都立片倉、秋春と都大会出場を逃しているものの、伝統校だけに過小評価はできない桜美林、山崎 優が投打で引っ張り、秋は準々決勝に進出した都立狛江、主将の重藤 琳太郎を中心にまとまる佼成学園などがおり、混戦模様だ。
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八王子、世田谷学園などの挑戦を受ける國學院久我山
星野 翔太(八王子)、下川邊 隼人(國學院久我山)
國學院久我山も準決勝までシード校と対戦しないが、決して楽な組み合わせではない。
初戦での対戦が有力なのが、昨夏4強の世田谷学園だ。秋春と都大会には出場していないものの、昨夏を経験している奥山 廉太郎らいる打線に力がある。4回戦で対戦するブロックには、投打ともチームの中心である朝岡 涼太を擁する都立東大和がいる。
5回戦で対戦するブロックには、八王子がいる。秋春とも本来の力を発揮できなかったが、八王子には最速146キロの星野 翔太がいるほか、片山 悠真など力のある選手が多く、本来の力を発揮できれば、センバツ4強の國學院久我山といえども厳しい戦いになる。
さらに八王子のブロックには、長島 幸生が投打で引っ張る明星がいる。
國學院久我山が順当に勝ち上がった場合、準々決勝で対戦するブロックも激戦区だ。
まず3回戦で国士舘、日大二の好カードが予想される。大 野駿介、小林 誠明という好左腕を国士舘打線がどう攻略するか、見逃せない一戦になりそうだ。
さらに勝者は、早大学院との対戦が有力だ。早大学院の西山 恒斉は春季都大会で日大三相手に好投しただけに、どちらが勝ち進んでも、好ゲームが予想される。
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東海大菅生と早稲田実が準々決勝で激突か⁉
鈴木 泰成(東海大菅生)、壽田 悠毅(早稲田実)
昨夏の優勝校の東海大菅生は、初戦で明大中野八王子と対戦することになりそうだ。東海大菅生が優位であることは確かだが、実力のあるチームだけに、明大中野八王子戦は序盤のヤマになりそうだ。
5回戦で対戦するブロックには、好左腕の佐藤 夏月を擁する駒場学園がいる。
東海大菅生が順当に勝ち上がった場合、準々決勝で対戦するブロックは、早稲田実がシードされた。東海大菅生と早稲田実は幾多の名勝負を繰り広げている。早稲田実は最近あまり結果を残せていないが、負傷が多かった主将の壽田 悠毅の復調が期待される。
早稲田実は初戦で都立日野台との対戦が有力。春季都大会では3回戦で対戦し早稲田実が10―2でコールド勝ちしているが、日野台のエース・林 慈央は1年生の夏から主戦で、秋季都大会では16強に進出しているので、油断のできない相手だ。
このブロックでは都立八王子北・都立豊多摩、都立国立・都立南平といった都立の実力校の対戦も好ゲームが期待される。
4分割して残りの1ブロックは、日大鶴ケ丘と駒大高がシードされた。強力打線の駒大高は、初戦で専大付、中大付の勝者と対戦する。東都大学野球の付属校の意地の戦いになりそうだ。
勝者が5回戦で対戦するブロックには、好投手の下田 悠斗を擁する聖パウロ学園がいる。
日大鶴ケ丘がシードされた方のブロックには、八王子実践、都立昭和、昭和第一学園などがおり、日大鶴ケ丘がリードしているものの混戦模様だ。
西東京大会はシード校が6校しかないため、序盤から強豪校同士の対戦が続出。また秋春の大会の前にコロナの影響で思ったような調整ができなかったチームも多い。それだけに、思わぬ強豪が現れる可能性も十分にある。
日大三、國學院久我山、東海大菅生が優勝争いの中心であることが間違いないが、一つの番狂わせが、大会の流れに大きな影響を与える可能性も十分ある。
(文=大島 裕史)