注目ルーキーのロッテ松川の今後の起用は?
高校時代の松川 虎生(市立和歌山)
3月25日に2022年シーズンのプロ野球ペナントレースが開幕した。その開幕戦で注目を浴びたのがロッテの松川虎生捕手だ。松川は2021年ドラフト1位で指名を受け、市和歌山高からロッテへと入団した捕手。その高卒ルーキー捕手が「8番・捕手」で開幕スタメンを勝ち取ったのである。
その試合で初安打を決めることはできなかったものの、犠打をしっかりと決めた。また守備では先発の石川歩投手(富山・滑川高出身)をはじめゲレーロ、益田直也投手(市立和歌山商出身)をリードし完封リレーを達成。役割をきっちりと果たした。
2試合目も同じく「8番・捕手」でスタメン起用されると2打席目にプロ初安打を記録。4打席目にはこの試合2本目の安打を放った。チームはサヨナラ負けを喫したものの、フル出場を果たしている。3試合目で初めてスタメンを外れ途中出場もなかった。この日は佐藤都志也捕手(聖光学院出身)が起用されフル出場しており、今後も併用されることが予想される。
開幕スタメンで起用された高卒新人捕手は1955年の谷本稔(八幡浜高ー大映)、2006年の炭谷銀仁朗(平安=現・龍谷大平安ー西武)につづいて松川で3人目だった。
その年の谷本は87試合に出場し打率.251(255打数64安打)の成績を残した。規定打席には到達していないものの、上市皓雄捕手(平安=現・龍谷大平安ー大映)、川本浩司捕手(山城高ー関西学院大ー大映)、万田睦夫捕手(大鉄-明治大ー大映)と併用されながらも捕手としてのスタメン出場数はチームトップだった。しかし100試合以上に初めて出場したのは、チームが大毎オリオンズとなって2年目、谷本にとっては入団5年目のこと。すぐに正捕手に定着したわけではなかった。
一方の炭谷は54試合(スタメン44試合)に出場し打率.181(138打数25安打)と打撃で苦戦。細川亨捕手(青森北ー青森大ー西武ーソフトバンクー楽天-ロッテ)がチーム最多の99試合(スタメン79試合)に出場している。2年目、3年目も出場試合数はそれぞれ28試合、46試合と増えることなく低迷。4年目の2009年にようやく112試合に出場。正捕手の座を手に入れた。
高卒で開幕スタメン起用された先輩たちは、いずれもすぐに正捕手を勝ち取ったわけではなかった。現在はそもそも捕手併用性が当たり前となっており、当時とは事情が異なる部分ももちろんある。そのなかで松川はどのような起用をされていくのだろうか。いきなり正捕手になるのか、それとも併用されながら1軍に定着するのか、井口資仁監督の起用法が楽しみだ。
<開幕戦でスタメン出場した高卒捕手の1年目の成績>
※所属は当時
谷本稔(大映)
[1955年]87試合 打率.251(255打数64安打) 0本塁打 33打点
炭谷銀仁朗(西武)
[2006年]54試合 打率.181(138打数25安打) 3本塁打 14打点
松川虎生(ロッテ)
[2022年]??
(記事=勝田 聡)