石川ケニー、榎谷礼央
センバツ優勝候補は大阪桐蔭(大阪)だけではない!関東・東京から選出された6校は、上位進出が十分期待でき、大阪桐蔭の対抗馬に挙がってもおかしくない。それぞれ分析してみる。

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明秀学園日立 (茨城)秋季関東大会優勝
新チーム公式戦通算14本塁打を放つなど、大会屈指の長打力を持つ。プロ注目の大型スラッガー・石川ケニー外野手(3年)、昨秋の公式戦でチームトップとなる4本塁打を放った武田一渓内野手(3年)、公式戦3本塁打の佐藤光成外野手(3年)と小久保快栄内野手(3年)、エースではあるがパワフルなスイングで公式戦2本塁打を放った猪俣駿太投手(3年)と、打線の破壊力は出場校ではトップクラスを誇る。速球投手に対する対応力も高い。
猪俣頼りの投手陣だったが、もともと能力が高い投手が多い。このオフに向けて成長を見せているが、やはり甲子園となると、やはり場数を踏んでいて、それなりに計算が立つ投手の登用になる。
左腕から140キロ台の速球を投げる石川が起用される可能性はあり、金沢監督も絶大な信頼を置いている。石川の目処が立てば、センバツ優勝までは最大5試合あるだけに投手陣に余裕もできる。打線とかみ合えば上位進出は十分ある。
山梨学院(山梨)秋季関東大会準優勝
榎谷礼央投手(3年)は140キロ前半の速球に、切れ味鋭いスライダーを投げ込み、安定感抜群の投球を見せる。この冬は大阪桐蔭といった優勝候補にも勝てる投球を追求し、レベルアップを図ってきた。大会中、万全のコンディションで迎え、エースとして獅子奮迅の活躍を見せるために日々の練習、調整に励んでいる。
打線も強力で、強打のトップバッター・鈴木斗偉内野手(3年)、主将で高校通算20本塁打以上の相澤秀光内野手(3年)、長打力はチームNo.1のスラッガー・岩田悠聖外野手(3年)、公式戦打率.514をマークした高橋海翔内野手(2年)、守備職人・進藤天内野手(2年)とタレントが多く揃っている。
能力が高いだけではなく、相手をじわじわと追い詰め、後半で一気に突き放すしたたかな野球は脅威。吉田監督も今年のチームに手応えを感じており、十分に上位進出が狙えるだろう。
越井颯一郎、宮城誇南

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木更津総合(千葉)関東大会ベスト4
最速146キロ右腕・越井颯一郎投手(3年)は奪三振が多く、緩急が使える全国トップクラスの投球術を持つ。打線は昨秋の県大会で5本塁打を記録した山田隼外野手(3年)、広角に長打が打てるスラッガー・水野岳斗外野手(2年)と打線の破壊力は例年以上。昨秋の関東大会準々決勝で大阪桐蔭のような大型戦力を誇る東海大相模(神奈川)に勝てたことは大きなプラス材料だ。
浦和学院(埼玉)関東大会ベスト4
実戦経験豊富な左腕・宮城誇南投手(3年)、左スリークォーターから癖球で勝負する西田 稀士郎投手(3年)、伸び盛りの左腕・芳野大輝投手(3年)と計算が立つ左腕が3人いるのは心強い。
遊撃手を兼ねる金田優太投手兼内野手(3年)も、140キロ前半の速球を投げ込み、ゲームが作れる。また、147キロ右腕・小田部夏行投手(3年)もベンチ入りを目指し、懸命にアピールを続けている。ベンチ入りし、登板すれば、評判の投手になりそうだ。
打線は高校通算16本塁打の強肩強打の高山維月捕手(3年)、飛距離はチームNo.1の左のスラッガー・鍋倉和弘内野手(3年)と左の強打者が揃い、守備面では堅守の三塁手・八谷晟歩主将(3年)、遊撃手の金田を中心に守りが堅く、外野手、内野手の連携を見ても無駄がない。十分に全国で戦える戦力は揃っている。
齋藤 誠賢、布施東海

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國學院久我山(東京)秋季東京大会優勝
昨秋の都大会決勝・二松学舎大附戦では逆転サヨナラ勝ちで優勝を果たした。好打者が揃っており、特に1番齋藤 誠賢外野手(3年)の打撃技術は秀逸で、都大会ではチームトップの打率.545(22打数12安打)を記録した。その他にも下川邊 隼人内野手(3年)は大会注目の大型遊撃手。強肩を活かした遊撃守備、リストの強さが光る強打は紅林弘太郎内野手(オリックス)の高校時代を彷彿とさせる。
投手陣は130キロ後半の速球を投げ込む渡邉 建伸投手(3年)がいるが、基本的に継投策となりそう。都大会決勝戦で見せた粘り強い野球を全国大会でも発揮できれば、上位進出が期待できそうだ。
二松学舎大附(東京)秋季東京大会準優勝
都大会準優勝に終わったとはいえ、戦力は全国上位に入る。左腕エースの布施東海投手(3年)は130キロ中盤の速球に加え、カーブ、チェンジアップを巧みに投げ分ける。簡単に崩れない芯がしっかりとして「勝つ投球」ができる。投手優位なセンバツにおいて、布施のような淡々と試合を組み立てられるエースの存在は非常に大きい。
また伸びのある快速球とスライダーで勝負する大矢青葉投手(2年)もリリーフとして控える。今井彪雅投手(3年)も左腕から威力ある直球を投げ込む。市原監督も精神面の成長を評価している。
打線の破壊力も脅威。秋の公式戦で、2本塁打、14打点をマークした主砲・瀬谷大夢外野手(3年)は今年の外野手でもトップレベルのポテンシャルを持つ。打撃練習でも、かなり迫力があった。
打撃技術が高い親富祖凪人外野手(3年)、恵まれた体格から次々と長打を記録する主将の小林幸男内野手(3年)と長打力のある打者が揃っており、冬場の打撃練習では、レギュラーだけではなく、秋、控え選手だった選手の成長も著しい。
(文=河嶋 宗一)