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フォーム改造で別人。天理の長身右腕・南澤佑音 達から借りた「ひみつ道具」で手応え【後編】

2022.01.14

 日本ハムからドラフト1位指名された達 孝太投手(3年)の後継者として天理のエースを務めている南澤 佑音投手(2年)。スリークォーターからキレのある球を投げる本格派右腕で、昨秋の近畿大会では1回戦と準々決勝で完投勝利を挙げている。今春のセンバツ出場を確実にした立役者の1人であるが、そこに至るまでには様々な葛藤や試行錯誤があった。昨年秋を振り返り、センバツへの思いを聞いた。

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挫折からの大改造

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南澤佑音(天理)

 新チームの秋季大会で、南澤に試練が訪れる。勝てば近畿大会出場が決まる奈良大会準決勝の高田商戦で打ち込まれ、チームは9対13で敗戦。「打たれてチームが負けてしまったので、頭が真っ白になった時もあった」と振り返るが、これが自身の投球を変えるきっかけになる。

 この試合が終わった後、中村 良二監督から投げ方をスリークォーターに戻すことを提案された。元々はスリークォーターで投げていたのだが、高校入学後は達に対する憧れからオーバースローに変えていた。だが、オーバースローでは南澤の良さは出ていなかったと中村監督は見ていた。

「ストレートは130キロ台後半が出るのにボールの強さがないから、打ち返されるし、スライダーやカーブのストライク率が低い分、カウントを悪くしてのストレートを狙い打ちされていたんです」

「何かを変えないといけないと思っていた」という南澤は監督からの提案を受け入れ、スリークォーターに再転向。準決勝の6日後に行われた3位決定戦の奈良北戦では急造のスリークォーターながら8回3失点(自責点2)とまずまずの投球を見せ、チームを近畿大会出場に導いた。

 さらに近畿大会でも快投を連発する。1回戦の滋賀学園(滋賀)戦は延長10回2失点、準々決勝の市立和歌山(和歌山)戦は9回1失点でそれぞれ完投勝利。準決勝の大阪桐蔭(大阪)では打ち込まれたが、4強まで勝ち進んだことで、翌春のセンバツ出場を確実にした。

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達から借りた「あるもの」で自信復活

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南澤佑音(天理)

「打者有利のカウントでも、変化球でカウントを取れることが楽に投げられるきっかけになりました」とスリークォーター転向後の変化を語る南澤。今では、「逆に上に変えるのが怖いくらいです」と話すほど、スリークォーターでの投球に手応えを感じている。

 南澤のスリークォーター適性は数字にも表れていた。達が使用しているラプソードを借りてストレートの回転数を計測した際にオーバースローでは1800~2000回転だったのが、スリークォーターに変えてから2100~2300回転に上がっていたという。

 スリークォーターの方が向いていると数字にも表れたことで、確固たる自信がついた。昨年に達がラプソードを使用していることはメディアでも話題になったが、後輩の成長を手助けすることにもつながっていた。南澤にとって達は尊敬する存在であり、憧れでもある。

「知識も凄いですし、やっぱり練習の取り組み方や技術面が凄いので、憧れの存在です」

 昨年の達のように、センバツではエースとして大車輪の活躍を目指している。秋の段階では、「応急処置くらいだった」というスリークォーターの精度の向上に現在は力を入れ、「球の質、キレというのをもっと求めてやっていきたいと思います」と秋以上の投球ができるように準備を進めている。

「今は打たせて取る投球ですけど、もっとキレや伸びを求めて、将来は腕を少し下げながらでも多く三振を取れるような投手」というのが目指している投手像。センバツではそこにどこまで近づいているだろうか。

 出場が確実な今年のセンバツでは、不本意な投球に終わった昨年のリベンジを誓っている。

「去年のセンバツで1イニングでしたけど、ああいう投球になってしまったので、借りを返しに行くじゃないですけど、次は自分が投げてチームに貢献できるようにチームのことを思ってやっていきたいです」

 緊張したまま終わった初めての甲子園から1年。今度は頼れるエースとして聖地に戻ってくる。成長の証を大舞台でいかんなく見せつけてほしい。

(記事:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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