Interview

DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは?

2022.01.13

 DeNA2位指名の徳山 壮磨投手(大阪桐蔭ー早稲田大)が、中学時代の3年間を過ごしたのがヤングリーグの強豪・兵庫夢前ヤングだ。12月に行われた関西地区No.1決定戦のタイガースカップ2021では、大会連覇の偉業を成し遂げ、毎年強豪校へ多くの選手を輩出している。

 強豪チームにまた1人、将来が楽しみな本格派右腕が現われた。名前は川上 笈一郎(そういちろう)投手。178センチ、70キロの投手らしい体格から、キレのある直球を投げ込み、昨春には岡山マスカットスタジアムで最速138キロを計測した。

 今春からは高校野球の舞台に飛び込むが、川上は「1年生から勝負できるように」と引退した現在もトレーニングに打ち込んでいる。

DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは? | 高校野球ドットコムあわせて読みたい
スローガンは「一意専心」タイガース杯連覇の強豪ヤングが取り組む「心」の教育とは?
中学時代の恩師が語るDeNA2位・徳山壮磨の野球ノートから見えた高い意識
DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは?

コントロールが改善して本格化

DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは? | 高校野球ドットコム
川上 笈一郎(兵庫夢前ヤング)

 小学校2年生の終わりに、中学でもバッテリーを組んだ松本 奏捕手に誘われたことがきっかけで、軟式野球チーム・白浜イーグルスに入団。4年生になると投手の練習を開始し、以降は松本とずっとバッテリーを組んでいるという。

 中学に入ると同時に兵庫夢前ヤングへ入団したが、浄徳 一智監督は当時の印象を「体も大きく球も速かったけど、コントロールがまだ良くなかった」と振り返る。川上自身も、制球力に課題があったことを口にし、下級生時はフォームの安定のために地道な体幹トレーニングに取り組んできた。

「球の速さは、周りよりも少しは速いかなと思っていましたが、コントロールが悪かったので、始めは試合を作ることもできませんでした。しっかりとしたフォームで投げるために、体幹トレーニングを多くやって、また走り込みも多くやりました」

 成果が現われ始めたのは、中学2年の秋頃。3年生が引退し、エースとしてチームを引っ張る立場になると、責任感も後押しして試合で結果を残すようになる。その年の12月に行われたタイガースカップ2020では、134キロを記録してチームの優勝に大きく貢献した。

「僕自身、ストレートに自信を持ったことは、これまでまだありません。納得できる球を投げることができたのも、本当に数球です。でも、試合でチームの勝利に貢献できたのは、素直に嬉しかったです」

[page_break:DeNA2位の徳山にも共通する高い意識]

DeNA2位の徳山にも共通する高い意識

DeNAドラ2・徳山壮磨の後輩に最速138キロの快速中学生!大先輩との共通点とは? | 高校野球ドットコム
川上 笈一郎(兵庫夢前ヤング)

 成長を見守ってきた浄徳監督は、順調にステップアップをしてきた要因に「意識の高さ」を挙げる。チームのOBで、昨年ドラフトで指名された徳山の成長を引き合いに出しながら、川上のここまでの成長を振り返る。

「入団からの伸び率でいえば、徳山が上かもしれませんが、入団したときのインパクトは川上の方が断然上です。ただ二人に共通しているのは、野球への取り組み、意識の高さです。二人とも常に高い意識を持って練習に取り組んでいたので、それが3年生で結果を出すことにつながったと思います」

 また、野球を始めるきっかけにもなった女房役の松本も、川上の高校での活躍に太鼓判を押す。高校では別々の道を歩むためライバルにもなるが、高校でも共に高め合っていきたいと思いを語った。

「成長するたびに球も速くなっていって、中学では変化球も曲がるようになりました。本当にエースという感じがする投手だったので、これからも高め合っていきたいと思います」

 川上は現在、「高校1年生から活躍する」ことを目標に掲げて、トレーニングを中心に練習を続けており、またフォームの修正も常に行っているという。けがをしない体作りを第一に考え、焦らずにじっくりと練習に取り組んでいる。

「僕はインステップになり気味なので、今は踏み出しの足が真っ直ぐ出るように意識して練習しています。あまり体が柔らかくないので、インステップになると、どうしてもコントロールが乱れたり、けがをすると思うので修正したいと思っています」

 これまで兵庫夢前ヤングが輩出したプロ野球選手は2名。川上の活躍にも期待だ。

(記事:栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

1 Comment

  1. 前田 清孝

    2023-08-18 at 11:17 AM

    焦らず、焦らず、プロ野球に行って下さい~!

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.18

まさかの初戦敗退に「夢の中なのか……」、大阪学院大高“異変”続きで力を発揮できず【24年夏・大阪大会】

2024.07.18

桐光学園16強進出! 継続試合も「学校に戻り対策を練った」法橋が投打に活躍、スクイズ失敗直後にタイムリー「なんとしてもカバーしたかった」【神奈川大会】

2024.07.18

花咲徳栄、エースが「ほぼストレートだけ」で1イニング三者連続三振!148キロ右腕・上原堆我が夏に見せた進化【埼玉大会】

2024.07.17

長野8強決定!松商学園、長野日大、東海大諏訪、佐久長聖などが勝ち上がる【2024夏の甲子園】

2024.07.18

大番狂わせでXのトレンドワード入り!同志社香里・北野、足をつりながらも大阪学院大高を抑え込む!【24年夏・大阪大会】

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」