福岡第一vs飯塚
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191センチ右腕から10安打、最速123キロ左腕の好投で福岡第一が2年ぶり九州切符

福岡第一・杉本響投手
191センチ、最速145キロ右腕の飯塚・白濱 快起投手(2年)が、どこまで福岡第一を抑えられるか。九州大会出場が決まる準決勝第2試合の注目はここ1点だったが、息詰まる投手戦となり、福岡第一が接戦をものにした。
140キロを超える直球が武器の白濱に、福岡第一打線が序盤から牙をむいた。2回だ。一死一、三塁から7番小嶋 陽斗(はると)外野手(2年)が右前へ先制タイムリー。3回に、飯塚が失策と犠打、内野ゴロで1点を返して同点としたが、福岡第一は直後の4回に、またも下位打線が牙をむいた。一死走者なしから、6番末永 弥雅斗(やまと)外野手(2年)が左前打で出塁すると、続く小嶋が右翼越え二塁打。江口 星斗(しょうと)内野手(1年)のスクイズで1点勝ち越しに成功した。
福岡第一がこの1点差を最後まで守り切った。最速123キロという先発の背番号10、杉本 響投手(2年)が5回をわずか1安打1失点に抑えると、6回からは最速133キロの背番号1の1年生・川波 櫂人(かいと)投手が4回を2安打無失点の快投を見せた。1点リードで迎えた9回は先頭打者に安打を許し、重盗などもあり、一死二、三塁の大ピンチ。一打逆転サヨナラの絶体絶命の窮地にも、後続を三振と一塁への邪飛に仕留めた。「左腕コンビリレー」で、強打を誇る飯塚打線をタイムリーなしの1失点に抑えきって、2年ぶり6回目の九州大会出場切符を手にした。
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白濱相手に10安打した打線を引っ張ったのは、準々決勝で本塁打を放っていた末永だった。この日は長打を捨てて、4打数4安打。白濱の直球にも負けずに引っ張って3安打した。「内角ストレートをしっかり振り抜けた。ホームランを打ってから1週間、体の開きが早かったのを修正して臨めた」と声を弾ませた。先発の杉本が「後ろにつなぐことが分かっていたので、思い切りいけた」と言えば、リリーフの1年生川波は「先輩たちの秋を終わらせるわけにはいかないので、9回は死ぬ気で投げた。困ったときの直球で勝負しました」と、一打逆転サヨナラのピンチからの最後の2人は「全部直球でした」と胸を張った。
山下 裕(ゆたか)監督はナインの奮闘を称えた。「杉本から川波へのリレーで粘り強く投げてくれた。打線の方では日替わりヒーローが生まれるパターンなのでいい流れできています」と目を細めた。旧チームの3年生が打撃投手をかってでて、前から投げてもらって「白濱対策」を講じてきた。「下位打線があっさり抑えられるようでは勝てない」とハッパをかけていた山下監督の言葉を、6番末永が4安打、7回小嶋が先制打含め2安打、8番江口が決勝スクイズで応えて見せた。
飯塚のエース白濱は、17日の準々決勝(福岡大大濠戦)の疲労が抜け切れていなかった。吉田 幸彦監督は「170球も投げていた影響はあったと思う。修正をかけて臨んだが、悪かったですね。直球に伸びがなかった」と完投負けの白濱の無念さを代弁していた。白濱はこの日の最速は143キロ。指にかかった時、191センチから角度のある直球には威力があった。打線の援護なく、敗れてしまい、来年センバツ出場は絶望的となったが、一冬を越えて、体力を増した剛腕となって、春季大会で別人となっていることを期待したい。
(記事=浦田 由紀夫)

先制打を放って二塁ベース上でベンチに手を挙げる福岡第一・小嶋陽斗

飯塚・白浜快起から4安打を放った福岡第一・末永弥雅斗

飯塚・白浜快起投手