高卒プロ入り7名は過去5年と比較しても最多。2020年の神奈川高校野球は人材面では大豊作だった
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笹川 吉康(横浜商)、山村 崇嘉(東海大相模)、松本 隆之介(横浜)
2020年の神奈川高校野球。人材面では近年稀に見る大豊作の1年だった。
今年、神奈川の高校から高卒プロ入りした選手は7名。
ソフトバンク2位・笹川 吉康(横浜商)
ソフトバンク3位・牧原 巧汰(日大藤沢)
横浜DeNA3位・松本 隆之介(横浜)
埼玉西武3位・山村 崇嘉(東海大相模)
千葉ロッテ5位・西川 僚祐(東海大相模)
横浜DeNA育成2位・加藤 大(横浜隼人)
巨人育成4位・木下 幹也(横浜)
これは過去5年と比べてどうなのか?
2015年
中日1位 小笠原 慎之介(東海大相模)
オリックス5位 吉田 凌(東海大相模)
2016年
東北楽天1位 藤平 尚真(横浜)
福岡ソフトバンク育成 4位 森山 孔介(藤沢翔陵)
2017年
福岡ソフトバンク3位 増田 珠(横浜)
福岡ソフトバンク育成5位 日暮 矢麻人(立花学園)
2019年
阪神3位 及川 雅貴(横浜)
阪神4位 遠藤 成(東海大相模)
過去の数字と比較しても、まさに快挙だといっていい。何よりすごいのは今年の夏の独自大会では一部の報道関係者以外、完全無観客体制だったということ。つまり少ないアピール活動の中でも各球団のスカウトから高く評価を受けてプロ入りをしたということだ。
想像以上の指名の多さと実感した方も多いのではないだろうか。もちろん、彼らは確かに能力は高く、1人1人ずつ振り返っていけば、まず神奈川の高校で真っ先に指名を受けた2位・笹川 吉康(横浜商)は、柳田 悠岐の再来として期待される。
松本 隆之介(横浜)は長身から繰り出す140キロ後半の速球、曲がりが鋭いスライダー、チェンジアップが光る好左腕で、長身左腕とは思えないぐらい器用さがある。牧原 巧汰(日大藤沢)は森 友哉(大阪桐蔭出身)を彷彿とさせるような打撃技術とスローイングタイム1.8秒台の強肩と攻守のスキルが今年の高校生でもトップクラスだった。
山村 崇嘉(東海大相模)は高校通算49本塁打を放った打撃技術の高さは超高校級。遊撃守備にも挑戦したと語るように、なんでもこなせる万能さがある。埼玉西武の出世番号である「32」を背負う。
西川 僚祐(東海大相模)は高校通算50本塁打を超えるスラッガーとして注目を浴びる選手だ。和製大砲として育てられるのか注目だ。
加藤 大(横浜隼人)は最速152キロ右腕として注目を浴びる。加藤は東海大相模との練習試合で剛速球を投げ込み、アピールに成功したのが大きかったようだ。
また、木下 幹也(横浜)は好調時の速球、高速フォークは魅力的だが、やや調子が落ち気味なのが育成指名なのかもしれない。それでもしっかりと鍛え込んでいけば、支配下登録の投手に負けないゲームメイク能力がある。
他には惜しくも指名漏れとなった度会 隆輝、法政大進学が決まった安達 壮汰もいた。毎年、横浜と東海大相模にはプロ注目の選手が現れるが、それ以外の学校にもスケールがあり、なおかつ野球選手としての完成度が高い選手が現れた年もなかなかないのではないだろうか。
この世代がコロナ禍で見られなかったのは本当に残念だった。
2021年も横浜は速球派左腕・金井 慎之介、18674、東海大相模は石田 隼都、大塚 瑠晏と逸材がいて、近年はSNSやハイレベルなトレーニング改革を行い注目を浴びている立花学園からも投手のレベルが急激に上がっている情報もある。
来年は有観客試合で見られることを期待したい。
(記事:河嶋 宗一)