試合レポート

東海大菅生vs目黒日大

2020.10.25

東海大菅生が目黒日大を圧倒!5回コールドで下して3回戦へ!

東海大菅生vs目黒日大 | 高校野球ドットコム
ホームランを放った東海大菅生・小池 祐吏

 夏の西東京大会、そして東西決戦も制した勢いそのままに秋の頂点も狙う東海大菅生。2回戦は目黒日大と激突したが、自慢の強力打線が機能した。

 エース・本田 峻也が三者凡退で目黒日大の初回の攻撃を抑える立ち上がりを見せると、直後の攻撃で1番・千田 光一郎のヒットを皮切りに一死満塁とする。ここで5番・小池 祐吏がレフトスタンドに飛び込む満塁ホームランで、東海大菅生が幸先よく4点を奪う。

 小池は元横浜DeNAベイスターズ小池 正晃氏が父で、横浜DeNAベイスターズジュニアを経験し、渡邊 佳明横尾 俊健らを輩出した中本牧シニアで中学時代を過ごした逸材ルーキー。

 ややオープンスタンス気味で構えて、あまりテイクバックを引くことなく、ヘッドをピッチャー方向に入れながら股関節に重心を溜めてトップを作る。そこから一気にバットを振り、インハイに来たスライダーをレフトスタンドに入れ込んだ。

 高校通算2本目で、新チームがスタートしてから行った練習試合で1本放っているとのこと。小池はスイングスピードを上げるべく、ティーバッティング以上に素振りを重視して力を付けてきた。また、開きを抑えるべく、素振りの中でツイストの動作を入れるなどして課題にも取り組んできた。その成果もあり、130キロだったスイングスピードは135キロまで上がり、この結果に繋がった。

 2回には目黒日大のミスと3番・橋本 唯塔のタイムリーで追加点を挙げた東海大菅生。橋本は少し上体こそ高いが隙のないフォームをしており、耳と同じくらいの高さと少し高め位置でトップを作り、鋭く回転させて一気にバットを振り下ろすのが印象的な強打者だ。

 その橋本の攻撃で2回に追加点を入れた東海大菅生は、3、4回にも追加点を入れて目黒日大を引き離す。4回終わって8対0とすると、5回には2番・福原 聖矢の犠牲フライで9対0。その後、一死満塁となったところで、5番・小池が犠牲フライでこの試合5打点目。さらにコールドを決める10点目を入れてゲームセット。東海大菅生目黒日大を5回コールドで下して、3回戦進出を決めた。

 エース・本田はヒットを1本しか許さず、四球も2つのみと安定感が光る。セットポジションから捻りながら足をあげていき、インステップ気味に足を踏み出していき、スリークォーターの高さから腕を振り抜いていく。

 キレのあるストレートがコーナーに決まるストライクゾーンを広く使いつつ、鋭く変化する変化球で空振りを奪えるレベルの高い投球が光る。

 その本田にバッテリーを組む1年生・福原、1番・千田 光一郎、4番・堀町 沖永など実力者が残るが、今年は足を使う攻撃が武器だと小池は語る。
「今年はホームランを打てるような選手があまりいませんが、練習から細かな場面を想定した実践練習で足を使った攻撃を練習してきました。ここから先は強豪との戦いになりますが、チームプレーで勝ち上がっていきたいと思います」

 実際に初回から積極的に盗塁を仕掛け、2回の攻撃では4度の盗塁成功。また5点目は一死三塁から内野ゴロでも素早いスタートで点数を奪うなど、次の塁を陥れている。やはり今年の東海大菅生の攻撃力は要警戒だ。

 一方で敗れた目黒日大は、エラーが多く守備からリズムが作れなかった。攻撃陣も本田の前にヒット1本、四球2つと三塁までランナーを進められなかった。力負けという形となったが、この敗戦をどう活かしていくのか。春の戦いを楽しみにしたい。

(記事=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・近畿地区】近畿一番乗りの抽選は17日の大阪、4府県が7月6日に開幕

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・北信越地区】新潟で21日に抽選会、7月5日の富山で組み合わせが出揃う

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・東北地区】24日に宮城、秋田の抽選!7月6日の宮城が東北一番乗りで開幕

2024.06.07

明日夏の組み合わせ抽選! 今年の神奈川は「投手王国県」だ!東海大相模の198センチ左腕を筆頭に、ノーシードにも140キロ超え投手が続出【神奈川注目投手リスト】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.02

【鹿児島NHK選抜大会】神村学園が期待の2年生エース・早瀬の完投勝利で決勝進出!

2024.06.02

福岡に逸材現る! ケガから復帰後即144キロ! 沖学園2年生エース・川畑秀輔に注目だ!

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得