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元プロ野球選手の柔道整復師・千葉司さん「自分で考えて行動できるようになると人生に幅が広がる」

2020.08.22

 中学野球、高校野球に打ち込む選手たちも、いずれは社会に出る日が来るだろう。今回は、将来の進路に迷う選手たちのため、柔道整復師として球児のサポートを行っている一人の社会人のキャリアを紹介していきたい。

 千葉司さんは、独立リーグまでプレーした元プロ野球選手で、現在は柔道整復師として健康に思い悩む人々アスリートのサポートを行い、その傍ら野球レッスンも行っている。千葉さんのこれまで歩みは、進路に迷う選手たち、そして柔道整復師の仕事に興味のある選手にとっても、大いに参考になるはずだ。

千葉司さん
合同会社komichi代表。柔道整復師、こころとからだのコーディネーター、元プロ野球独立リーグ選手。東京と福井で投げ銭制の接骨院を運営し、のべ10万人近くの心と体に向き合ってきた。野球経験とコーチングの経験を活かし都内で“野球を教えない野球レッスン”を運営。レッスン卒業生がU12侍ジャパンの代表に選出された。現在、心理学を学ぶため、アラフォーで大学在学中。

24歳の時にNPB入りの夢が絶たれる

元プロ野球選手の柔道整復師・千葉司さん「自分で考えて行動できるようになると人生に幅が広がる」 | 高校野球ドットコム
千葉司さん

--野球をされていたと伺いましたが、まずこれまでのご経歴を伺ってよろしいでしょうか?

千葉司さん(以下、千葉) 都立武蔵野北高校で野球をしていました。卒業後は学生野球の登竜門であるセレクションを受けられるという話があり、そのつもりでいたので3年生の10月まで練習をしていました。ところが条件が厳しくて受けることができませんでした。

 そこから勉強をして、法政大学の夜間部に合格。そして野球部に入りました。国分寺から法政大学野球部のグラウンドがある武蔵小杉、学校がある市ヶ谷の3地点をまわる学生生活でしたが、大学は3年生で辞めました。野球で挫折したんです。
 自分ではプロに行くものだと思っていたんですけれど、法政大学って甲子園あがりの人がゴロゴロいるじゃないですか。先輩には今プロ野球選手になっているような人が沢山いて。そんな中で、部員数は120人くらいいるし、「あーもうだめなんだ」と。先輩後輩の上下関係も厳しかったし、野球もだんだん面白くなくなっていってしまいました。

--独立リーグでもプレーされたと伺いましたが、そこから独立リーグに至ったのでしょうか?

千葉 いやいや全然!そんなすんなりじゃなくて、この頃の話は時間が足りないくらい色々あるのですが(笑)。

 挫折して21歳くらいで大学を辞めて、何をしていいかわからない。高校野球って「野球しかしないとプロになれない」みたいな思想があるじゃないですか。今はだいぶ薄れてきましたけれど、僕はまさしくそれだったんですよ。
 で、野球がなくなった瞬間に何をしていいかわからなくなって、遊びに走ったんです。本当に何をしていいかわからなくて…。気が付いたら多額の借金を抱えていました。

 でもその時に、こんなボロボロの状態で何をしていたかと言うとテレビでは野球を見ていましたし、読む漫画は野球漫画。結局野球が好きなんだなと思い、もう1回死ぬ気で野球をやろう!燃え尽きるまでやってみよう!と思い、そこからまた野球を始めました。

 2~3年くらいバットとボールを握っていませんでしたが、まず体重増やすために1日7食食べて、トレーニングをして。この頃は本当に毎日野球と借金返済のことばかりでした(笑)

 24歳の時、人生で一番のピークの状態でプロテストを受けることができ、最終まで残りましたが2004年のストライキの影響を受け、最終的にはテスト生枠が消滅した形でNPBの夢が絶たれたました。

--そこから独立リーグでプレーするまでにどんな経緯があったのでしょうか?

千葉 もちろん僕の力不足でもあるんですけれど、そこまで行くと心残りというか、どこかでぬぐいきれない部分もしょうがないかと思い、先輩が勤めていた会社に入社しました。すると、その会社がたまたまBCリーグのスポンサーだったんです。
 新潟アルビレックスというチームにたまたま大学時代の先輩がいたこともあり、そこで初めて独立リーグという存在を知りました。

 「じゃ、来年受けます!」と25歳の時サラリーマンを辞めて再び野球の道へ。ドラフトで新規チームから選ばれていく1巡目で、福井ミラクルエレファンツ(現:ワイルドラプターズ)に選ばれてそこで1年間だけプレーをしました。それが28歳の年で、他のチームからのオファーもあったのですが、先々のことを考えて引退を決意しました。

◆千葉さんが通った「関東柔道整復専門学校」の詳細はこちら!◆

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[page_break:現役引退後、関東柔道整復専門学校で柔道整復師を目指す]

現役引退後、関東柔道整復専門学校で柔道整復師を目指す

元プロ野球選手の柔道整復師・千葉司さん「自分で考えて行動できるようになると人生に幅が広がる」 | 高校野球ドットコム
千葉さんが開講している野球レッスン

--現役引退されてから、柔道整復師を目指した理由を教えてください

千葉 論理的に考えて練習計画を立てるのは勉強している仲間だからこそできることだと思います。勉強をすることで論理的な思考力を養い、それを活かして練習計画を立てています。

 福井の女性と結婚して、引退後最初は就職して勤めていたのですが、サラリーマン生活が全く自分には合いませんでした。
 そんな時に、妻が作業療法士だったこともあり、たまたま接骨院のアルバイト募集を見て、ふと「もっと身体の事を知っていたら野球人生、変わっていたかな?」と思うことがあったんです。これけっこう大事な話なんですけれど、自分の身体を全然知らずに野球をやってたいんです。身体の仕組みや構造など、全部知った上で野球をやっていたらもっと上手になれたんじゃないかと思いました。

 すぐにアルバイトの面接を受けて合格しましたが、でも接骨院で働くにはどんな資格が必要かということを知らなかったんです。行ってみて初めて柔道整復師という国家資格があると知り、その年の秋にはもう関東柔道整復専門学校を受験していました。在学中は、明け方に牛乳配達をして昼は接骨院、そこから学校に通って夕方17:00頃接骨院戻ります。その頃整形外科にも勤めていたかな…
 僕は、決めるとすぐやらなきゃ!と思う性格なんです。

--現在では東京と福井で接骨院を運営されていながら、再び大学にも通われていると聞きました。現在のお仕事について詳しく伺って良いでしょうか?

千葉 後悔したくない、やりたいと思ったらすぐにやりたいと思う性格なので、昨年40歳で大学にも通い始めました。心理学部に通っているんですけれど、公認心理師という国家資格を取りたいと思っています。柔道整復師として治療をしていると、患者さんの話を聞くことが多く、そこから興味を持ちました。

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現役時代の千葉司さん

 現在は「野球を教えない野球レッスン」という名前で野球レッスンもしています。「教えない」ということは結構大変なんですよ。子どもたちの言動を全部観察して、1人1人に合わせたアプローチをするんです。
 そういう方法がまわりからはなかなか理解されないし、最初は保護者から「野球教えないんですか?」って言われたんですよ。「いや、教えません!」(笑)。
 それでも昨年には、教え子からU-12侍ジャパンの選手も誕生しました。

--貴重なお話をありがとうございました。それでは最後に高校球児へメッセージをお願いいたします!

千葉 自分で考えて行動できるようになると、人生に幅が広がります。他人に人生をコントロールされずに済む。他人に任せていればいつまでも他人のコントロール下になってしまうので、そこを変えるために色んな道を知っておいてもらいたいと考えています。

 例えそれが野球じゃなかったとしても、人間として社会人として立派に生きていけるんじゃないかと体現していけたらいいなと思い、講演活動などもしています。

 高校3年生は、高校野球生活を終えて進路に迷うこともあると思うのですが、大事なのは自分で考えて自分で行動して納得して選択していくということ、そしてそのためにはたくさんの選択肢があると知っておくといいかなと思っています!とエールを送ってくださいました!
〇千葉先生が書かれた、こちらのコラムもぜひ! キャリコネニュース
「甲子園大会中止、プロ野球選手になれなかった自分が高校球児に伝えたいこと」
〇また、幅広い活動をされている千葉先生の公式サイト
「ちばつかさ こころとからだの中身から 元プロ野球選手の柔道整復師 こころとからだのコーディネーター ちばつかさのWEBサイト」もどうぞ!

◆千葉さんが通った「関東柔道整復専門学校」の詳細はこちら!◆

元プロ野球選手の柔道整復師・千葉司さん「自分で考えて行動できるようになると人生に幅が広がる」 | 高校野球ドットコム

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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