長野県独自大会開催へ 7月18日開幕を目指す
記者会見する県高野連の西條会長(左)と依田専務理事
夏の甲子園中止を受け、長野県高野連は5月29日、理事会を開き、独自の大会を開く方向でまとまった。選手権長野大会は当初、7月4日の開幕予定だったが、硬式、軟式とも7月18日の開幕を目指す。
県高野連の西條浩章会長は開催の前提条件として、新型コロナウイルス感染症の拡大の危険性が高まらないことと、平常の学校生活が送られていることの2点を挙げた。
記者会見で西條会長は「これが確保されたところで硬式、軟式ともに開催に向けて準備を進めていくことを理事会で確認した」と述べた。開幕日程は、硬式、軟式とも「7月18日を目指したい」とした。
開催方式について、西條会長は「春、秋のような地区大会の形式が妥当ではないか」と言うのにとどめ、県チャンピオンを決めるなど踏み込んだ大会内容には触れなかった。
その理由の一つが、多くの学校でようやく6月1日から全体登校が始まるところだからだ。前提条件にあるように、まずは学校生活が平常に戻る必要がある。加えて、県内では新型コロナの新規感染者がしばらく出ていないが、再び拡大し学校生活に影響することも考慮しなければならない。
もう一つの理由は、球場の確保だ。当初の長野大会は7月4日開幕で決勝は24日を予定。18日は準々決勝のはずだった。4回戦までは4球場を使うが、準々決勝からは主会場の[stadium]長野オリンピックスタジアム[/stadium]に集約される予定だった。
6月から全体での登校が始まり、県教委の指針で部活動も短時間から再始動する。さらに対外試合の解禁時期も不透明だったりして、選手たちのコンディショニングなども考慮し、開幕が遅れることになった。
そのため7月18日からスタートする独自の大会には、新たな球場確保が不可欠。西條会長によると、少しずつ確保できている球場は増えているという。球場確保に好意的な団体もあるそうだ。西條会長は「なるべく多くの試合ができるように、上積みしていきたい」と述べた。
独自の大会でも公式戦に位置づけられる。無観客が基本で部員は入場できるが、保護者は検討中。開会式は行わず、試合は基本週末の開催になる。大会方式など不確定な要素は多いが、西條会長は「部員の思い出づくりに終わらず、真剣勝負の機会をなるべく多くつくりたい」と希望を語った。
(取材=小池剛)
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