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使いすぎ症候群を未然に防ぐ

2020.03.13

使いすぎ症候群を未然に防ぐ | 高校野球ドットコム
よく使うところ、気になるところを中心に日頃からチェックするようにしよう

 野球は接触プレーが比較的少ないノンコンタクト競技に分類され、アクシデント的に起こる急性のスポーツ外傷よりも、じわじわと繰り返す動作によって起こる慢性的なスポーツ障害が多いといわれています。その代表的なものが投球障害です。投球障害は投球動作を繰り返し行うことによって、肩や肘に物理的なストレスがかかり、やがては痛みなどが出現してプレーすることがむずかしくなるものです。

こうしたある部位に集中して過度なストレスがかかる状態を「使いすぎ症候群」もしくは「オーバーユース症候群」と呼びます。使いすぎ症候群には自分自身に原因のないもの(外的要因)と自分自身に原因があるものに大別されます。

《外的要因》
・練習の強度や時間、頻度などを急に増やした
・用具やウエア、シューズなどがあっていない
・練習をするサーフェス(グランド、床、コンクリートなど)が硬く、適切でない など

《内的要因》
・以前に痛めたことのある部位である
・筋力や柔軟性などが伴っていない
・投球フォームに問題がある
・筋力や柔軟性などに左右差が見られる(アンバランス)
・脚長の違い、O脚、X脚、偏平足などいわゆる解剖学的な問題がある など

使いすぎ症候群の兆候としては、

第1段階)練習や試合後に痛みを感じる。スポーツ動作に支障はない。
第2段階)練習や試合中に痛みを感じる。スポーツ動作に支障がある。
第3段階)運動をしていない状態でも痛みを感じる。スポーツ動作ができない。

と段階を追っていきますが、この第1段階の前に「いつもは押しても痛くないところが、押してみると痛い」という段階が存在します。使いすぎ症候群を未然に防ぐためには日頃のセルフチェックが欠かせないと言えるでしょう。投球動作によるケガを未然に防ぐためには、肩や首の付け根、肩甲骨周辺部、肩、肘の内側、外側、裏側といった部位を押してみて、左右差がないか、普段感じたことがない痛みがあるかといったことを確認します。できれば同じ部位を一週間に一度など、定期的にチェックすることが理想的です。押して痛みがある場合は、該当する部位をあまり使いすぎないようにする、練習内容を負担のないものに変更する、入念なウォームアップとクールダウン、その後のセルフケアを行うこと。痛みが続くようであれば早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにすることが、ケガを長引かせないためには大切なことと言えるでしょう。

参考資料)自分で見つけるスポーツ障害〜スポーツ障害セルフチェックシート〜 渡会公治 監修/ナップ

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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