天理vs大阪桐蔭
日替わり打線の天理が5年ぶりの近畿王者に輝く
記念撮影をする天理の選手たち
天理は1回表、一死一塁から3番・河村拓民(2年)が左翼席に2ラン本塁打を放ち、先制点を挙げる。準決勝ではスタメンを外されていたが、この日は中村良二監督の起用に応えてみせた。
リードをもらった直後にマウンドに上がったのは今大会初登板となる身長192センチ右腕の達孝太(1年)。1回裏に西野力矢(2年)にソロ本塁打を浴びたが、その後は落ち着いた投球を見せてリードを保つ。
2対1と拮抗した展開が続いたが、6回表に試合が大きく動く。二死二塁から8番・田中輝希(2年)の右前適時打で1点を追加すると、1番・下林源太(2年)も一、二塁から右前適時打を放ち、1点を加える。さらに一、二塁とチャンスは続き、2番・山元太陽(2年)の3ラン本塁打でリードを5点に広げた。
これで試合の大勢はほぼ決した。大阪桐蔭は8回裏に3点を返すも、この回途中からリリーフした庭野夢叶(2年)が踏ん張りを見せる。終わってみれば16安打12得点の猛攻を見せた天理が大阪桐蔭を圧倒した。
「嬉しいの一言です。選手たちがすごく頑張ってくれました」と笑顔で話した中村監督。奈良大会は苦戦を強いられて、3位で何とかコマを進めたというチーム状況だったが、初戦から報徳学園、奈良大附、履正社、大阪桐蔭と強豪を次々に打ち破って近畿の頂点に立った。
天理の特徴として挙げられるのが日替わり打線だ。今大会で固定されたのは1番の下林と4番の山地裕輔(2年)のみ。他の打順は全て試合によって入れ替わっていた。「ウチは誰が出ても変わらない」と中村監督は選手層に自信を見せる。準決勝でスタメンから外れた河村と瀨千皓(1年)が決勝で本塁打を放ったのはその象徴と言えるだろう。
神宮大会では東北代表の仙台育英と初戦で対戦することが決まっている。複数の好投手を擁するチームを相手にどう立ち向かっていくだろうか。