堀越vs目黒日大
ボークで先制されて嫌な感じだったが、堀越が中盤から力を示しコールドで進撃
前半はばらつきながらもよく投げた目黒日大・白拍子君
昨年春に、かつて修徳で実績を上げていた小田川雅彦監督が就任した堀越。ユニフォームも新しくなり、まさに「ニュー堀越」として、センバツ準優勝やベスト4という栄光の時代を取り戻そうとしている。
対する目黒日大、かつては女子校の日出学園だったものが、日大との系列校となって現校名に変更している。日出学園時代は女子ソフトボールの強豪でもあった。余談ではあるが芸能コースもあって、あの1970年代を代表したスーパーアイドル山口百恵の出身校でもある。
先制したのは目黒日大で初回、四球の走者がバントで進み、さらに外野飛球の間に三塁に進むと、ここでボークがあってホームインというラッキーな形だった。
目黒日大の先発白拍子君は、球道にばらつきながらも、何とか抑えていたが3回、2つの四球などで無死満塁としながら連続三振を奪い、この回もこうして抑えるのかと思われた。ところが、堀越は6番山田君がしぶとく三遊間をゴロで破るタイムリー打を放って2者を帰して逆転。
4回にも堀越は安打の芝君を二塁に進めて、二死二塁から3番黒井君が中前へはじき返して3点目を挙げた。初回に少し嫌な感じでの失点をした堀越だったか、こうして試合そのものを立て直していった。
こうなるとさすがに堀越の流れになっていく。1番からの好打順となった6回には、先頭中林君が中前打するとバントで進み、黒井君の右前打で4点目。これで、目黒日大の木川卓見監督は白拍子君を諦めて、左腕の1番をつけている落合君を投入した。しかし、内野失策と横溝君、佐藤龍成君の連打などもあってこの回4点が入って6点差となった。
中軸を打つ堀越・黒井怜君
そして7回にも中林君が二塁打すると、内野ゴロで三塁へ進み、黒井君の強烈な二塁襲安打で加点。さらに渡邊君、田倉君の連続中越二塁打なども出て、代打で出た佐藤光君もタイムリー打を放って、この回も4点が入った。さすがに、力では上回る堀越が中盤以降から力を示したと言っていいであろう。
こうして終わってみたら7回コールドゲームとなった。
堀越の小田川雅彦監督は、「実は、あの台風で2日間まったく練習できなかったので、不安もありました」と言うが、やはり回が進んでいく中で自分たちのリズムを作っていったのはさすがだった。メンバーのほとんどが1年生で若いチームの目黒日大である。小田川監督は「相手チームの情報としては、何もなかったんですけれども、キャッチボールとノックを見ていたら、しっかりと教えているなという印象だったので、引き締めないといけないぞという気はしていました」と言っていたが、それだけに思わぬ形の失点で、早く追いついておかなくては…、という意識はあったであろう。
結果的には7回コールドの圧勝という形ではあったが、序盤から中盤までの展開は、決して安心出来るものではなかったということだ。それだけ、目黒日大のひたむきさときちんとした野球の形が相手にある程度のプレッシャーはかけていたということであろう。
(文=手束 仁)