Column

四国アイランドリーグplus初の「名球会指揮官」 高知ファイティングドッグス・駒田 徳広監督、ラストスパートへ

2019.08.31

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し13年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。しばらくお休みを頂いておりましたが、また今回から再開いたします。

 その初回となる第54回は7月12日(金)に後期シーズンをもって退任することを明らかにした「四国アイランドリーグplus初の名球会指揮官」高知ファイティングドッグス・駒田 徳広監督を取り上げます。

四国アイランドリーグplus初の「名球会監督」退任会見は突然に

四国アイランドリーグplus初の「名球会指揮官」 高知ファイティングドッグス・駒田 徳広監督、ラストスパートへ | 高校野球ドットコム
7月13日退任会見で語る高知ファイティングドッグス・駒田 徳広監督

 みなさん、ご無沙汰しております。甲子園休みを頂いておりました「四国発」。実際の甲子園における四国勢のことについてはおいおい触れるとして、今回から再開いたします。改めましてよろしくお願い申し上げます。

 さて、まずは時計の針を一度7月12日(金)に戻させてください。四国4県同時開幕の全国高等学校野球選手権地方大会を翌日に迎えた朝。私は新聞記事を見て思わずこう叫びました。「聞いてない!」

 掲載されていたのは2016年、「日米通算200勝・250セーブ・2,000本安打以上」という非常に高いハードルが対象となる「プロ野球名球会」初の指揮官として高知ファイティングドッグス監督に就任した駒田 徳広監督(元巨人・横浜・NPB通算2,006安打)の「今季限りで退任」報道。実は球団からのチームリリースも四国アイランドリーグplusの公式HPには掲載されず、直接報道各社にリリースされる形だったのです。

 過去に藤川 球児投手(現:阪神タイガース)、MLBのスーパースターであるマニー・ラミレス外野手の入団に成功した高知ファイティングドッグスらしい「サプライズ」。ただ、今回は「この先」がある話ではありません。ということで、私は押っ取り刀で高知市内の会見場へと駆け付けました。

[page_break: 駒田監督、退任の真意と選手たちへの想い]

駒田監督、退任の真意と選手たちへの想い

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試合を見つめる高知ファイティングドッグス・駒田 徳広監督

「先日、駒田監督から2019年シーズンをもって退任したいという話があり、その意思が強かったので申し出を受けることにしました。そして一丸となって闘う意思を込めてこのタイミング(後期シーズン開幕前々日)の発表になりました」

 高知ファイティングドッグスを運営する株式会社高知犬・山本 裕司代表取締役社長のあいさつに続き、マイクを握った駒田監督。退任の理由については明確に2つをあげました。

「1つは優勝できなかったこと。2つ目はNPBに1人も送り出せなかったこと。そこには大きな責任を感じています」。さらに、その経緯についても実直に語ります。

「勝つならもっと厳しくしないとは判っていたが、そこに加えて和気あいあいとした中で勝ってほしいと思っていたことでスキが生まれていたし、みんなうまくなってほしいと思ってベンチ入り25人全員をなるべく使う試合をしたことで、かえってマネジメント力が薄れて方向性を崩してしまったと思います」

 本来、言わなくても済むことなのに、正直に告白する駒田監督。その反面、駒田監督のそういった思いやりと気さくさは高知ファイティングドッグスに多くの観客、ファンを呼んできたことも事実です。特に高知市営球場でのナイターでは、ビール・お酒片手に試合を見て、試合後は選手・首脳陣と語り合い、その一部は駒田監督がプロデュースするバー「KOMA’s HOUSE」に流れて、日によっては駆け付ける駒田オーナーとさらに野球談議に興ずる流れが出来上がっていました。

「高知県にはこんなにかわいがって頂いて、一生忘れない」駒田監督は万感の想いを込めて高知愛をこう表現しました。

9月、高知ファイティングドッグスでのラストスパートへ

 ただ、四国アイランドリーグplusも勝負の世界。「僕が就任した時も11月まで決まらなかったことを考えると、次期監督を探しいいチームを作る時間が必要」と、後期シーズン前に退任を決断した駒田監督の意思は最大限尊重するべきでしょう。

 ただ、駒田監督にはまだ高知での仕事が残っています。「いいチームに仕上がる自信があった」実感を一度は優勝マジックを点ける前期2位で体現したチームを優勝させること。後期はここまで9試合を残し(8月30日現在)8勝14敗5分、首位・愛媛マンダリンパイレーツに4ゲーム差の最下位と苦しい状況が続いていますが、残り試合を全勝に近い数字ができれば、まだわずかに優勝の可能性は残っています。

 「やってみて考える野球を実証したい」近将来の夢を語った駒田監督にとっても、「苦しい時に「がんばれ」と声を掛けられる人間になってほしい」と指揮官が期待する選手たちにとっても正にラストスパートの9月。高知ファイティングドッグスのチーム名にふさわしい闘犬たる姿を私も期待しています。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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