城南vs阿波
城南「ザ・高校野球」で、阿波に競り勝つ!
城南先発・後藤 謙晋(3年)
「夏の初戦は取れる時に取らないと。チャンスはそんなにめぐってくるわけではないですから」。破顔一笑で勝因について語ったのは2009年に徳島北を率いて甲子園初出場に導いた徳島城南・島 一輝監督。そう、この日の徳島城南は3得点すべてをダイヤモンドの中に転がして奪い取った。
1点目は1回裏1番・久島 光太郎(3年・171センチ76キロ・右投右打・徳島中央リトルシニア出身)の四球・二盗と犠打で得た一死三塁から3番・亀川 雄紀(3年・左翼手・180センチ80キロ・右投右打・徳島市国府中出身)の三ゴロ。3回裏の2点目は再び久島の二塁打と犠打での一死三塁から亀川の絶妙スクイズ。そして決勝点となる6回裏の3点目は4番・後藤 謙晋(3年・投手・172センチ78キロ・左投左打・阿南市立羽ノ浦中出身)の二塁打と犠打から6番・松島 悠斗(3年・161センチ60キロ・右投右打・北島町立北島中出身)が「普段から練習はしているし、僕が状況を考えてストライクが来たらやろうと思っていた」投手横へのドラックスクイズ。「打たせてテンポよく投げようとして」112球4安打3四球6奪三振の左腕・後藤に大きな推進力を与えたのであった。
敗れた阿波は自慢の打線の得点が5回表二死二・三塁から2番・赤松 侑斗(3年・遊撃手・170センチ66キロ・右投右打・阿波市立土成中出身)の中越2点三塁打のみ。「相手の細かさを振り払おうとしたが力を出せてやれなかった」と鳴川 真一監督も悔しがった。
そして、1年夏・痛恨の捕手ボークから高校通算19本塁打の強肩捕手に成長した1番・村田 和至(3年・177センチ75キロ・右投左打・阿波市立吉野中)も4打数1安打で高校野球を終えることに。「今振り返ればあのプレーがルールや配球を考える機会になったし、意識を高く持てるようになった。この経験を野球のみならず社会で活かしていきたい」と試合後にまっすぐ前を向いて話した彼の前途に幸多きことを切に祈りたい。
(文=寺下 友徳)
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