奈良の強豪・天理対智辯学園がヤクルトで勃発!?
奈良県の強豪高校といえば多くのファンが、天理高校と智辯学園高校を挙げるだろう。今春の選抜高校野球(以下、春の選抜)には両校とも出場できなかったが、大きな異論はないはずだ。
昨夏の全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)・奈良大会では準決勝で両校は激突。その際は天理が8対7で智辯学園を下している。
天理は春夏合わせ51回の甲子園出場があり、全国制覇は3回(春1回、夏2回)。一方の智辯学園は春夏30回の出場で全国制覇は春1回。ともに全国制覇の実績がある押しも押されもせぬ強豪校である。
天理の西浦直亨と智辯学園の廣岡大志
智辯学園時代の廣岡 大志
これだけの実績を誇る両校だけにプロ野球界に多くの選手を輩出している。
現役選手でみると、天理出身が西浦直亨(ヤクルト)、中村奨吾(ロッテ)、そして昨年のドラフトでオリックスから1位指名を受けた太田椋と3人。智辯学園は岡本和真(巨人)、廣岡大志(ヤクルト)、青山大紀(オリックス)とこちらも3人と同数である。
そのなかで注目したいのが、ヤクルトにおいて遊撃手のポジションを争っている西浦と廣岡のふたりだ。
今から1年ほど前、昨シーズンの開幕スタメンで遊撃のポジションに収まっていたのは廣岡だった。しかし、攻守ともに苦しみ早い段階で西浦がレギュラーへと移り変わった。その後シーズンを通して西浦は結果を残し、自身初の規定打席到達も果たし、飛躍の一年となったのである。
ここまでの春季キャンプ、オープン戦の序盤を見ると現時点において、遊撃手のレギュラー最右翼は西浦だろう。キャンプでは主将に任命され、実戦でも安打を量産し結果を残している。
そんななか、廣岡は西浦にない武器でポジションの奪回を狙っている。それは、圧倒的な長打力だ。練習試合では満塁本塁打を含む1試合2発を記録すれば、オープン戦の初戦では代打弾を放ちアピールを続けている。守備面では西浦に分があるだけに、廣岡には打撃面で圧倒的な差をつけるしかないのである。
天理の西浦、智辯学園の廣岡。ふたりの年齢差は6つあり、高校時代の対戦はもちろんない。プロになって、それも同じチームで初めて争うことになるのもなにかの縁なのかもしれない。
(記事=勝田聡)