試合レポート

愛工大名電vs享栄

2018.07.26

土壇場で追いついた享栄、延長に望みを託したが愛工大名電が再度突き放す

 

 ここまで2回戦での星城、4回戦での愛知大成、準々決勝の天白と苦しい試合を何とか勝ち上がってきた愛工大名電。ギリギリのところで何とか勝っていくあたりに、「さすが名電」と思わせる強さがあるのかもしれない。これに対して享栄は、この夏でベテラン柴垣旭延監督は最後ということを春から打ち出しており、「名将の最後に花を添えよう」と、そんな思いもあってチームはまとまってきた。

 

 そんな両校の対決は、前半は、名電の室田、享栄の沖山の両先発投手が丁寧な投球で、4回までは名電2安打、享栄は1安打だった。名電は5回に先頭の稲生が二塁打して四死球もあって満塁まで攻めたがここは沖山が踏ん張った。そしてその裏、名電の倉野光生監督は流れを変えようという意図もあったのか、室田投手をスパッと下げて秋山を送り出した。

 そして迎えた6回、名電は連続四球とバントで一死二三塁。ここで死球と暴投、さらに送球もそれて2者が帰った。続いて8番安井のタイムリーと代打杉山も続いて、失策もあって、名電としては幸運も重なった4点が入った。享栄のマウンドは1年生上田に代わっていた。

 反撃したい享栄は6回、7回と連打や四球と失策でチャンスを得たが、あと一本がなかった。

 それでも8回、失策の走者をバント安打で進めながらチャンスを拡大すると、併殺崩れの間に1点を返し、なおも二死一塁という場面で5番佐久間が左翼へ2ランを放ってたちまち1点差とした。

 これで勢いづいた享栄は9回、相手失策に乗じて9回二死から同点に追いついた。もっとも、試合展開としては享栄はここで一気にひっくり返してサヨナラと出来なかったことが痛かった。柴垣監督も決着をつけるべく代打に賭けたが、名電の秋山が抑えた。

 最終的にはやはり、総合力では名電の方に一枚分があった。延長にもつれた試合となり、10回から柴垣監督は3人目の奈加投手を送り出した。ところが、その代わり端に永井、稲生と連打して、8番安井が中越二塁打して1点を加えなお二三塁。それでも、ここからは奈加投手が踏ん張って、享栄は1点差のまま10回裏の攻撃を迎える。3番からの好打順だったが、名電の秋山も気力を振り絞っての力投で、3人で退けて、名電としては2年ぶりの決勝の舞台へ挑むこととなった。

 決勝は図らずも2年前と同じ東邦との顔合わせとなった。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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