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明日開幕!本命不在の熊本大会を制するのはどこだ?【大会展望】

2018.07.03

 61チームが参加する熊本大会が、7月4日からスタートする。昨夏まで4季連続で甲子園に出場していた秀岳館は鍛治舎巧監督が退任。秀岳館1強時代は終わりを告げ、今季は各大会で混戦模様を見せている。大会の展望を見ていきたい。

文徳が本命不在の大会をリード

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高校通算40本塁打以上を放つ萩尾匡也(文徳)

 昨秋と今春の熊本大会を制した文徳が、本命不在の大会をリードする。チームを引っ張るのは高校通算40本塁打以上を放つ萩尾匡也(3年)。1年生の春から4番に座り、ホームランを量産してきた。また、エースの津川颯(3年)は185センチ90kg の堂々たる体格で、130キロ後半の重い球を投げ込む。

 このブロックでは、第6シード熊本商は秋春、NHK旗と3大会でベスト8。力のある3投手による継投で接戦を制してきた。打撃力が自慢の熊本北は、春の熊本工戦で10対3とコールド勝ち。NHK旗で本戦に出場した翔陽は、地上10センチの低さから投げるサブマリン投手の米澤葵(3年)がエースだ。このほか、昨夏ベスト4まで進んだ八代も控える。

 2013~15年にかけて3年連続決勝戦で涙を飲んだ文徳。今年は1997年以来の21年ぶり3回目の甲子園を目指すチャンスだ。

 文徳を追う一番手は、秋春の両大会で準優勝だった第2シードの九州学院。打撃の主戦である木村颯(3年)、工藤康紀(3年)に加え、二塁手の緒方敬亮(3年)や遊撃手の川野涼多(2年)の二遊間は堅い守備だ。チームの総合力は高く、投手次第で甲子園の道は近づく。

 九州学院が控えるブロックでは、第6シードの城北が対抗馬。攻撃野球が持ち味で、NHK旗では九州学院に勝ち準優勝。春は三回戦で秀岳館と接戦を演じている。投手陣は継投で繋ぎ、リードする捕手の高良練(3年)は2塁への送球が1.78秒と強肩が自慢だ。

 九州学院の初戦は、熊本農業東海大星翔の勝者。東海大星翔も秋春ともにベスト8で地力はある。春ベスト4の熊本国府は攻めの野球が身上。春ベスト8の鎮西は、エースで主将の相馬蓮樹(3年)が最速145kmと力がある。6年ぶりの夏を狙う古豪の濟々黌は守りと機動力のチーム。7年ぶりの甲子園を目指す専大玉名は打撃力が持ち味だ。

 文徳九州学院を追うのは第3シードの秀岳館だろう。去年までの圧倒的な強さが無いとは言え、甲子園を経験している渡辺瑠維選手(3年)や山下竜哉選手(3年)が残り、経験に勝る。RKK旗でも文徳に8対1で圧勝。勝ち方を知っているチームだけに、勢いに乗ると3年連続の頂点も現実味が帯びてくる。

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有力3チームを追う存在

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綾晃平(熊本工)

 秀岳館のブロックでは古豪の熊本工業がノーシードからの戦いに臨む。昨春の甲子園を経験した選手が残るのは強みで、身体能力が高いリードオフマンの綾晃平(3年)、1年から4番を任された八木田武洋(3年)、1年夏から3番に座る内田雄大(2年)と打ち勝つ野球が今年のスタイルだ。両校が勝ち上がれば、3回戦で対戦することになる。

 また、第6シードの八代東は秋ベスト4で力がある。どの打順からでも点を取れる打線が自慢で、機動力を絡めた攻撃で一気にたたみ掛ける。投手も4人が控え、11年ぶりの甲子園を虎視眈々と狙う。

 経験豊かな渡辺和雄監督のもと昨夏8強と旋風を巻き起こした菊池は、4番に座る茨木龍巳(3年)の勝負強さが魅力。2年生エースの渡邊勝太は140km近い伸びのあるストレートが武器で、安定感のある守備陣が支える。今年もひと暴れを期待したい。NHK旗ベスト4の熊本学園大付属は攻撃野球が持ち味で、長打を打てる打者が9人並ぶ。

 有力3チームを追う存在は、5月のRKK旗で初優勝を果たした第4シードの有明。エースの2年生右腕・浅田将汰は球速145kmで、今大会ナンバーワン投手の呼び声も高い。RKK旗では九州学院に競り勝ち。秋春ともにベスト8と安定しており、初の甲子園に向けての挑戦が始まる。

 有明のブロックでは、NHK旗を初めて制した球磨工業が第5シード。春の大会では2桁得点の試合を重ね、自慢の攻撃野球を存分に発揮した。県内外の強豪校と練習試合を積極的に組み、経験も積んだ。人吉球磨地域から初の甲子園を狙う。

 有明の初戦は、千原台熊本西の勝者。千原台は秋ベスト8。つなぐ野球が持ち味だ。学校統合のため最後の夏を迎える多良木も注目。エースの古堀廉大(3年)は東京出身で、両親の母校である多良木の野球部に進学した。町民の思いを乗せ、甲子園のラストチャンスに賭ける。

 予定通りに進行すれば、代表は7月22日に決まる。頂点に立つのはどの高校か。熱戦の火ぶたがいよいよ切られる。

 

文=いとう りょう

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