試合レポート

日大三vs修徳

2017.10.14

日大三、修徳に7回コールド!4番・大塚、勝負を決する3ラン

日大三vs修徳 | 高校野球ドットコム

4番・大塚 晃平(日大三)

 ともに甲子園で実績を残している強豪同士が2回戦で早くも対戦した。もっとも春季大会で対戦した時は、日大三が16-2の5回コールドで修徳を下している。その試合で修徳の4番手として登板し、2回で被安打7、自責点6と打ち込まれた坂本 大起が、今度は、エースで主将としてチームを引っ張る。

 前の晩から雨が降り、試合が始まった後も時おり小雨がぱらつく天候。濡れた人工芝が、修徳の守備陣を苦しめる。

 1回表日大三は、四球の金子 凌を二塁に置いて、4番・大塚晃平は、レフトに強い打球。これが濡れた人工芝で勢いを増し、三塁打となり、日大三が1点を先制する。

 2回表も中前安打の飯村 昇太を一塁に置いて、8番・柳澤 真平のレフトへの強い打球を、修徳の左翼手・須藤 孝介が果敢に突っ込んだが、捕球できず、濡れた人工芝で滑りやすい打球は、瞬く間に外野奥深くに行き、打った柳澤は一気に本塁に還るランニング本塁打になる。

 3回表には、3番・日置 航の三失、4番・大塚の左前安打の後、6番・飯村、7番・齊藤 龍二と連続適時打が出て、2点を追加。修徳のエース・坂本は、本来のペースをつかめないまま5点を失い、次の回からはマウンドを左腕の竹田 大輝に譲り、坂本はショートを守る。

 一方、日大三井上 広輝は公式戦初先発。U18日本代表の井上 大成の弟で、しなやかな腕の振りから投げる速球は、最速145キロという。序盤2回は奪三振3で安打を許さない快調な立ち上がり。それでも修徳の打線も、力はある。3回裏右前安打の8番・田畑 康伸を、1番・篠原 一輝が中前適時打で還し、1点を挽回する。


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井上 広輝(日大三)

 4回表には、遊撃手・坂本の失策もあり、修徳は1点を失ったが、その裏、反撃する。この回一死後、4番・牧野 零士、代打・染田 棟皓の連続安打に、6番・横手 大路の四球で満塁とし、7番・石田 楓矢の左前安打で1点。8番・田畑の二ゴロの安打にさらに1点を加える。

「立ち上がりは良かったのですが、疲れが出て、真ん中に集まってしまいました」と、井上は語る。

 修徳が追い上げてきたが、流れを断ち切ったのが、日大三の4番・大塚の一振りだった。6回表、二死一、二塁から3番・日置がレフト線を破る二塁打で1点を追加した後、4番・大塚が逆方向に打った打球がライトフェンスを越える3点本塁打となった。

「アウトコースを、体が開かないように意識して、球を逆らわずに打ちました。チャンスに打てて良かったです」と大塚は言う。

 ここまで4番らしい一発がなかっただけに、「一発が出て、少しは楽になりました」と大塚。日大三の4番というプレッシャーがあるだけに、結果を残したこの一発は、今後の戦いにも大きな意味を持つかもしれない。

 大塚の本塁打で10対3となり、そのまま7回コールドで日大三が勝ち、3回戦に進んだ。

 この試合、井上は7回を完投。中盤打ち込まれる場面もあったが、「まだ1年生。神宮の緊張感もあるだろうし、いい経験になったはず」と小倉全由監督は語る。櫻井 周斗金成 麗生がいた前のチームほどの迫力はまだないものの、4番の大塚にも一発が出て、いい状態で次に進める1勝であった。

 一方、敗れた修徳は、坂本がペースをつかむ前に点差が開いてしまった。坂本は身体能力が高く、ポテンシャルは高いだけに、ひと冬超えた成長に期待したい。

(文=大島 裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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