香川中央vs坂出
はまった「強者の罠」第4シード・坂出、香川中央に無念の初戦大敗
まず改めて記そう。昨秋から6月・香川県高等学校野球連盟招待試合までの坂出は見事な戦いだった。秋春連続県ベスト4、秋は準優勝で四国大会に出場し済美(愛媛)にも1対4と善戦。そして早稲田実業(西東京)打線を145球5安打4四死球3奪三振で完封した西山 諒祐(3年・投手・175センチ72キロ・右投右打・まんのう町立満濃中出身)の丁寧な投球……。戦術眼を磨き、対戦相手への対応を徹底すれば弱者が強者を倒し、強者となれることを彼らは十分実証したといえよう。
ただ、強者となることは同時に追われるものとなり、研究される立場ともなる。そして第4シードで香川大会の初戦を迎えた坂出はその罠にはまってしまった。
西山は早稲田実業戦で出した自己最速に並ぶ137キロを筆頭に136キロを常時出し続けた反面、変化球がことどごとく甘く入り、8回で被安打11。1回裏二死一・二塁から東京ヤクルトスワローズ・山田 哲人選手の応援歌が鳴り響く中、香川中央5番・山田 敬太(3年・172センチ69キロ・右投左打・高松市立香川第一中出身)にライト線に運ばれて先制点を許すと、4回裏には二死三塁から香川中央主将・8番の今井 亮介(3年・左翼手・166センチ52キロ・右投左打・高松市立勝賀中出身)に高いバウンドでの遊撃内野安打で2失点目。さらに一・二塁から1番・熊野 信太(2年・三塁手・169センチ57キロ・右投左打・高松市立竜雲中出身)にも初回に続き中前に運ばれ3失点目。8回裏には今井、熊野に長短適時打を許すなど、さらに4点を失い試合を決められた。
もちろん、この事象が起こった要因は、香川中央が攻守にわたり終始一貫して坂出の弱点を突いたからこそでもある。香川中央先発・北谷 拓巳(3年・173センチ59キロ・右投左打・高松市立勝賀中出身)は120キロ台後半のストレートと同速度帯のカット系スライダーを勝負所でコースに投げ分け、11安打を浴びながらも失点は8回表二死満塁から8番・西山に喫した内野安打による1点のみ。自責点は0。他にも2併殺を奪ったバックの堅い守備も光っていた。
かくして、第4シード・坂出を破りベスト8に進出した96回大会以来、3年ぶりの1勝を手にした香川中央の3回戦は、7月16日(日)レクザムスタジアムで13時から行われる大会第7日・第2試合。高瀬vs四国学院大香川西の勝者と対戦する。
(レポート=寺下 友徳)
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