野球での「じゃんけん」を語ろう!
野球での「じゃんけん」を語ろう!
かつて【アメリカ横断ウルトラクイズ】というテレビ番組がありました。クイズを勝ち抜き、アメリカを横断。ニューヨークを目指すというドキュメンタリークイズ番組です。ここで国内第2次予選として成田空港(羽田空港の時代も)で行われたのが1対1の『じゃんけん』です。クイズ番組でありながら、時には運と心理戦で勝敗が決まる。クイズの知識に優れた人でもこのじゃんけんで敗れたために飛行機に乗れなかった参加者もたくさんいて、まさに番組の名物コーナーでした。現在の高校球児や、若い方は「知らない」という人もいるかもしれませんが、「懐かしい」と感じられる人もいるのではないでしょうか。
冒頭から脱線しましたが、ここからが本題です。野球で『じゃんけん』と聞いて思い出すのが試合前に先攻と後攻を決める時です。このじゃんけんの役割は高校野球では主将が務めます。
じゃんけんに勝った時に先攻と後攻のどちらを取るかを監督に指示されるチームも多いようですが、勝って実際に選ぶとなった時には全て主将の意のままになるんですよね!
例えば監督から先攻と指示されていたとしても、「後攻」と発すれば監督は覆すことはできず、その試合は後攻に決まるんです。まさに主将にだけ与えられた特権と言えるでしょう。
実際に今年取材したある試合でも、「後攻を取るのがチームの伝統ですが、この試合はどうしても1回に先制したかったので自分の意思で先攻にしました。監督には後で驚かれましたが・・・」と話した主将がいました。
監督はゲームの戦略を練りますが、実際にプレイをするのは選手です。先攻と後攻で主将が監督の意に反する選択をしたとしても、しっかりとした理由があれば怒らないようにしてあげてください。そこに至るまでの両者の信頼関係が大事になってきます。
因みに大学野球や社会人野球では、先攻と後攻を決めるじゃんけんを主務(マネージャー)が担当します。したがって、主将がじゃんけんをするのは基本的には高校野球までとなります。
(文:松倉雄太)