試合レポート

慶應義塾vs秀岳館

2017.05.14

慶応義塾が秀岳館との打撃戦を制する

慶應義塾vs秀岳館 | 高校野球ドットコム
勝ち越し打を打った矢澤(慶応義塾)

 ハイレベルな試合となった。打者のスイングスピード、プレーのスピード感、投手のレベルの高さはこの3試合の中では一番だった。そんな一戦は初回から慶応義塾が動き、二者連続押し出し四球で2点を先制。さらに8番寺山の中前適時打で3点を先制。そして3回表には、一死一塁から6番奥村の適時二塁打で1点を追加。そして二死三塁から8番寺山の2本目の適時打で5対0にする。

 だが、秀岳館も3回裏、無死一、二塁から1番半情冬馬の適時打で1点を返すと、一死満塁から3番石井の内野ゴロの間に1点を返し、5対2と3点差に迫る。

4回からエース・森田晃介がマウンドに登り、右スリークォーターから常時135キロ~141キロのストレート、120キロ台のスライダー、100キロ台のカーブ、110キロ台のチェンジアップを器用に投げ分け、4,5回を抑えた時の投球は、さすが神奈川を代表するエースと思わせるピッチングだった。

 しかし秀岳館は森田クラスの投手にもしっかりと合わせることができる。一死一、二塁のチャンスを作ると、5番赤坂 銀次郎の左越え2点適時二塁打で1点差。そして6番廣部就平の左横線安打を放ち、赤坂が本塁へ生還し、ついに同点に追いつく。この回、3安打を集中して、森田を攻略。この回限りで降板した。改めて秀岳館の打撃力の高さを存分に見せつけた。

 しかし秀岳館のエース・田浦文丸がぴりっとしない。135キロ前後のストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを構成する投球でゲームメイクしたが、高めに浮く投球が多い。それを慶應義塾打線が見逃さず、二死満塁のチャンスを作り、2番矢澤慶大がストレートを逃さず、遊撃強襲となる2点適時打で7対5と勝ち越しに成功する。

 9回裏、秀岳館幸地 竜弥がレフトスタンドへ飛び込むホームランで1点を返したが、反撃はここまで。慶應義塾が打撃戦を制した。全国トップクラスのチーム相手にこのような形で制したのは、夏の大会へ向けて弾みがつく結果となっただろう。

 秀岳館は投手陣の投球内容に課題が残ったが、それでも慶應義塾が登板した3投手から必ず点を奪った打撃力はさすがであった。

(取材・写真=河嶋宗一

慶應義塾vs秀岳館 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾は昨夏甲子園優勝バッテリーがスタメン!初回から4番・江戸 佑太郎の1発などで3点を先制!【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が四国王者の高松商、英明に連勝!!<香川招待試合>

2024.06.08

昨年春夏甲子園出場・北陸の卒業生進路 エースは筑波大へ! 早速公式戦で上々のデビュー

2024.06.09

大阪桐蔭、敗れる! センバツ8強・阿南光の吉岡を攻略できず、エース平嶋は7回被安打10【徳島招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得