卵で手軽にタンパク質を補給しよう!
卵で手軽にタンパク質を補給しよう
プロテイン代わりにゆで卵を食べるという高校野球選手が増えるかもしれませんね
体づくりのためには栄養バランスの良い食事をとることが大切ですが、特に筋肉や身体のさまざまな組織のもととなるタンパク質は、アスリートにとって必要不可欠な栄養素と言えるでしょう。タンパク質の重要性を理解すればするほど、栄養補助食品として「プロテイン」を摂取する選手も増えていますが、うまく活用してほしい食品として「卵」を取り上げてみたいと思います。
卵1個あたりの栄養素(Mサイズ=60g)はカロリー:91kcal、タンパク質:7.4g、脂質:6.2gと試算されており(日本食品標準成分表2015年版より)、ビタミンB群の1つであるビオチンとミネラル分ではセレンが多く含まれています。同じMサイズ(60g)のゆで卵では、可食部分が多くなるため(殻の重量を含まないため)タンパク質:7.7g、脂質:6.0gとタンパク質がやや多く、脂質がやや少なく見積もられています。
タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、中でも必須アミノ酸と呼ばれる8種類は必ず食事から摂取する必要があるのですが、卵にはこの必須アミノ酸がバランス良く含まれていることでも知られています。アミノ酸のバランスを数値化したものは「アミノ酸スコア」と呼ばれていますが、卵はこの「アミノ酸スコア」においても100点満点であり、良質のタンパク質であると言えるでしょう。
卵はどこの家庭にも常備していることの多い食品の一つです。朝食ではご飯に生卵をかけて「卵かけご飯」にして食べると、ご飯の糖質とともにタンパク質もあわせてとることが出来ます。ハムやベーコンとあわせて目玉焼きにしたり、スクランブルエッグなどにしても良いですね。また卵スープなども手軽に準備しやすく、水分補給もあわせてとることが出来ます。またサンドイッチの具材として使ったり、お弁当に卵焼きを入れたりと昼食でもしっかりタンパク質をとることが出来ます。
さらにオススメしたいのがゆで卵です。持ち運びにも便利ですし、朝、自宅でゆで卵を準備しておくと間食や補食としてもタンパク質をとりやすく、トレーニング後にさっとタンパク質を補給することも可能。味も塩をささっと振り掛けるだけでも十分ですし、何もなくても比較的食べやすいのではないでしょうか。
「卵を食べ過ぎるとコレステロール値が上がる」という俗説もありましたが、100年以上前の動物実験によるものであり、近年の研究では食事以外に卵を1日3個ずつ2週間に渡って食べ続けるという卵の摂取とコレステロールの因果関係を調べても、血中コレステロール値に大きな変化は見られなかったと指摘されています。何事も過食は控えるようにしたいものですが、アスリートとしては優良なタンパク質源としてぜひ卵を意識してとるようにしてみましょう。
文:西村 典子
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