スタミナ強化のためのランニングってどんなもの?
スタミナ強化のためのランニング
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どの体力要素を鍛えるかによってランニングの内容は変化する
秋の公式戦が一段落すると、野球の技術練習とともに体力づくりを考える時期に移行していくチームも多いと思います。中でも野球に必要なスタミナをつけるためにランニングなどを行う機会も増えてくるでしょう。スタミナ強化のために行うランニングの考え方についてまとめておきます。
野球におけるスタミナは「試合において最初から最後までよりよい状態でプレーできること」にあると思います。それには全身持久力(心肺機能の向上)や筋持久力、そして疲労物質が体内に蓄積されながらもプレーを持続させられる「疲労に対する耐久力」などの強化が挙げられます。運動強度の指標としてわかりやすい心拍数を用いながら、それぞれの強化方法を見てみましょう。
●全身持久力の強化
血液中の酸素運搬能力を高めるために、あえて心拍数の高い状態を作り出します。最大心拍数の70~85%程度の運動強度になるように距離とスピードを調整しましょう。簡易的な計算式に当てはめてみると「最大心拍数=220-年齢」であり、高校生であれば205~202程度が最大心拍数の目安です。心肺機能に大きな負担をかけるため、このようなトレーニングを行う場合には、あらかじめメディカルチェックや健康診断等で身体に問題がないかどうかを確認しておく必要があります。
●筋持久力の強化
同じ動作を繰り返し再現できるようにするためには、使っている筋肉そのものにも持久力を持たせるようなトレーニングやランニングを行います。ランニングにおいては同じスピードで繰り返し走るようにすると、全身持久力とともに筋持久力の向上にもつながります。
●疲労に対する耐久性の強化
休息とランニングの時間を心拍数によって設定するインターバルトレーニングを行います。これは高負荷のトレーニング(心拍数が高い状態)と低負荷の状態(休息によって心拍数を元に戻す)を繰り返すことによって、心拍数が高い強度のトレーニングからなるべく早く元に戻る能力を強化します。
休息とランニングの比率は「ランニング:休息=2:1」から「ランニング:休息=1:1」程度を目安として設定します。疲労物質をできるだけ早く体内で分解・再利用・排出することで、疲労に強い身体を作ることを目的としています。
文:西村 典子
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