試合レポート

都立雪谷vs佼成学園

2016.10.11

都立雪谷が3点差をひっくり返し逆転サヨナラ!

都立雪谷vs佼成学園 | 高校野球ドットコム

サヨナラ打を打った藤崎翔太(都立雪谷)

  佼成学園vs都立雪谷の一戦は試合序盤から点の取り合いとなった。

 1回表、佼成学園は一死満塁から5番今溝啓也(2年)の押し出し四球や7番武藤俊(2年)の適時打で3点を先制。さらに2回表には、3番中島良太(2年)の適時打で1点を追加した。しかし都立雪谷も反撃を開始して、2回裏には一死満塁から敵失、押し出し四球、併殺崩れの間に3点を返して、1点差に迫る。だが5回表、9番桐生昂汰(2年)の適時二塁打で2点を追加。しかし都立雪谷も5回裏に敵失、犠飛で2点を返し、5回終わって6対5とどちらも点を取り合う形となる。佼成学園は5回まで3失策。それもすべて点が絡んでおり、結果的にこの守備ミスの失点が後に響くようになる。

 6回表には佼成学園は敵失で1点を追加して7対5。7回表、溝口真矢(2年)の適時打で1点を追加する。これで8対5。さすがに決まりかと思われたが、都立雪谷ナインは決してあきらめていなかった。9回裏、9番深津直樹の安打から始まると、1番富樫拓眞(2年)の左前安打で無死一、二塁。ここから二者凡退して、二死一、二塁から4番田中雄稀(2年)の左前安打で1点を返すと、5番石川には左前安打を放ち、二死満塁となって、6番で主将・藤崎翔太
「みんながつないでくれたので絶対に打ってやろうと思いました」
と気合を入れて入ったこの打席で、藤崎は初球のストレートを打って捉えた打球は左中間を破る長打に。一気に三者が生還し、なんと3点差をひっくり返して、逆転サヨナラ勝ちを収めた。

 都立雪谷は早いカウントから打っていく傾向が目立ったが、これは都立江戸川から赴任した芝浩晃先生の指導も大きいようだ。芝先生の指導は初球からフルスイングをしていくこと。結果を恐れず、ライナーや、フライになってもいいので、とにかく自分のスイングをして、強い打球を飛ばすこと。それが結果的に強いゴロ、ライナー、飛球となって、多くの点を取ってきたようだ。芝先生が育てた今年の都立江戸川は都内トップクラスの強打のチームで各打者のスイングが鋭かったが、都立雪谷の最終回の攻撃は都立江戸川の攻撃を彷彿とさせるものがあった。最後まであきらめずにフルスイングする姿勢が佼成学園投手陣を追い詰めた。

 次の戦いへ向けて収穫となったのはエース青葉光の好投。右オーバーから120キロ後半~132キロのストレート、スライダー、カーブで押す投手で、佼成学園相手に2回無失点の好投。力のあるストレートを投げ込む投手で、体格も良く、さらに速くなっていく予感をさせる投手であった。大会前に、打球直撃で負傷したが、今日の投球で完全に調子を取り戻したといっていいだろう。

 今年は都立勢の躍進が目立つ。このままベスト16入りを目指し、さらに投打で大暴れを見せる。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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