試合レポート

侍ジャパンU-18代表vs香港代表

2016.08.30

投げては無安打、打っては19得点で香港を圧倒!

侍ジャパンU-18代表vs香港代表 | 高校野球ドットコム

寺島成輝(履正社)

 ここまでの日本代表は練習試合・壮行試合併せて3試合の最多得点が5。打てる選手が限られており、苦しい試合内容となった。今日の香港戦はこれまで対戦した3チームと比べるとレベルが落ちるのは否めない。ただ各選手がしっかりと打つ形を身に付けた印象だ。

 日本の先発マウンドに登ったのは寺島成輝履正社)。まず先に点を与えないこと。それを意識して、球速は130キロ中盤に抑えても、キレの良いストレートを投げることができていた。1回表、三者連続三振に奪う立ち上がり。そして1回裏、1番納大地智辯学園)が相手の敵失で出塁すると、その後、一死二、三塁となって4番九鬼隆平秀岳館)の内野ゴロの間に1点を先制する。

 打線は勢いが止まらず、2回裏には一死満塁から納のエンタイトル二塁打が飛び出るなど、一気に4点を追加。さらに3回裏には打者一巡の攻めで7点。3番静岡鈴木将平の本塁打が飛び出すなど、一気に12対0と点差を広げた。

 先発の寺島は5回無安打12奪三振。ずっと同じスピードガンを測っていると、その投手は本気を出しているのか、調子が悪いからスピードが出ないのか、力を抜いているのかが分かるが、寺島はそこまで全力投球ではなかった。ただ上手く力が抜けていたのが良かったのか、フォームの一連の流れは実にスムーズで、手元のガンでは、120キロ後半~130キロ前半が殆どだったが、キレの良いストレートを投げることができていた。

 寺島が少しギアを入れたのは5回表で、球場のガンでは、142キロ。手元のガンでも138キロ~140キロを連発していた。小枝守監督は、精神的に強い寺島ならば、初試合のマウンドとなっても動じずに投げられると考えて、送り込んだが、首脳陣の思惑に十分に応えたマウンドとなった。


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本塁打を放った鈴木将平(静岡)

 そして打線は結局、17安打で19得点を入れてコールド勝ち。

 小枝守監督は、「チャンスメイクする打者に当たりが出てきたのは良かったですね。また1番を誰にするか悩んでいたのですが、選抜選手権で1番打者で良く打っていた納君にしました。どうもそれ以外の打順で思うようにいかなったのですが、やっぱり一番打者を打たせた方がいいですね。今日の彼はいつもより大きく見えました」
 打順の組み換えがうまくできたことを評価していた。

 そして代表合流した時点から小枝監督が力を買っていた鈴木が本塁打。
「彼は軸がしっかりとしていて、身体の割りには強く打てる選手。良い感じで振れていると思います」と評価。

 鈴木も、「打ったのは真ん中高めで、木製で打ったのは、初めてなんです。打った瞬間、綺麗に飛んでいて、気持ちよかったですね。良い感じで打ててきています」と手応えを掴んでいる様子。次の台湾戦へ向けて「投手のレベルが上がりますが、自分のスイングができるようにしっかりと準備をしていきたい」と意気込みを語った。

 首脳陣、選手たちも今日のような試合展開にはいかないと思っている。ただ各自の選手たちの打撃を見ると、技術的に修正を図り、日本にいた時よりも良かった。さて次の台湾戦は今大会を占う意味でも重要な一戦。今日以上の試合内容を見せることを期待したい。

(文=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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